USB Dongle RTL-SDR Project |
USB
Dongle RTL-SDR |
色々なドングルが市販されていますが、改造の実績が多数あって比較的受信性能が良いと されているR820T をフロントエン ドに使用したものをAitendoさんか ら購入しました。改造して壊すかもしれないし、そのとき売り切れてたりすると困るので2台購入しましたが、それでも2千円以下と激安プライスでした。
ドングルに付属のソフトは一切使えないので、必要なソフト類は以下のサイトから入 手します。
(近日作成予定)
USBドングルのケースに入った状態で暫く動作させてみましたが、以下のような問 題があることが判りました
- R820TとRTL2832Uチップからの発熱が非常に多い
- R820Tチップが高温になると極端に受信感度が低下してしまう
- 樹脂製のケース内が高温になると28.8MHzの水晶発振子の周波数が大きく変動してしまう
特に2番の問題は深刻で、真夏にテストしていたら全く受信できなくなったので、思わず「故障かな?」と勘違いしてスペアのドングルに交換すると 暫くは受信できるものの、時間が経つと同様に何も受からなくなってしまう症状は同じでしたので、ケースから取り出してPC用の小型ファンで「強制空冷」す るとどちらのドングルも受信できるようになりました、安定して受信するためには何らかの熱対策が必須のようです。
ドングルを改造するにあたり、手持ちの機材の殆どがSMAコネクター仕様だったので、基板についてるアングルタイプのMCXコネクターを外して 換装、さらに空いてる入力ピンを使って短波帯が受信できる「ダイレクト・サンプリング」対応にするための改造も追加で行いました。
【改造箇所】
以上の改造を施すことで、ダイレクトサンプリングによるDC〜28MHzまでの受信バンドが増え、長波からマイクロ波までをカバーする広帯域受信機として 一応ながら安定動作するようになりました。 実際に使用できる周波数範囲はバランの特性と結合コンデンサーの容量で決まってきますが、下端のほうは50kHz程度まで一応受信できている事を確認しました。
- 本来のアンテナ入力t端子を汎用性の高いSMAタイプに換装(VHF帯〜マイクロ波帯用)
- この基板では使われていなかったQ入力へダイレクトサンプリング受信用の信号を接続
- ダイレクトサンプリング受信用アンテナ端子(HF帯専用)を追加
- チップ放熱のために銅製のヒートシンクを基板裏R820Tサーマルパッド用スルホールに直接ハンダ付け
- RTL2832Uは比較的熱に強いので銅テープの切れ端をサーマルパッド用スルホールに直接ハンダ付け
純正で搭載している28.8MHzの水晶発振子は偏差が大きくSDR#を毎回起動 するたびにドライバーに偏差を設定しないと受信できず不便だし、温度安定度もあまり良好なものではありませんでした、交換用の日本製のクリスタルをアマゾ ンで売ってた(RTL-SDRもメジャーになったもんですね)ので早速購入して交換してみました。RTL基板を裏返して得意技の二刀流ハンダコテで2本のピンを同時に暖めるとクリスタルは落下して簡単に外すことができました。
クリスタルの裏側に基板パターンとショートするのを防ぐ絶縁マイラーフィルムがあるので取り外して再利用します。
スルーホールに残ったハンダは吸い取り線で除去しました。
交換後の周波数偏差
RTL
Before
After
#1
+78ppm
-16ppm
#2
+82ppm
-7ppm
念のため二個あるRTLドングル基板でクリスタルを入れ替えてみましたが日本製は全く同じ周波数偏差となったので、基板上の負荷容量を決めてるコンデン サーの値が個体間でズレているようです、基板毎にこの値を微調整しないことには交換するだけで受信周波数をピッタリに合わせる事はできないようです。 後 日トリマーコンデンサーを入手して再度挑戦するつもりです。