CORIAN SPEAKER BUFFLE FOR DASH SPEAKERS (TOURAN)

本来Touranのダッシュボードには1インチのソフトドームツイターが付いていて、ドアのミッドバスとの2way構成な訳だが、ダッシュの取り付けスペースにはミッドレンジのユニットが何とか入る程度の空きがある。 先日からの予備実験で3way化するメリットが十分に確認できたので、もう少しマシな方法でちゃんとユニットを固定したいと思い穴だらけになって強度が低下した純正ツイターパネルに代わるバッフルを作成することにした。

純正ツイターのスペースに取り付ける関係上、バッフルの厚みが最大でも8mm程度までしか許容できず、MDFでは十分な質量も強度も得られないため一旦バッフルを作りかけたものの、純正のプラスチックよりもう少しマシな素材はないかと考えてて思いついたのが、DuPont社のメタアクリル樹脂で人造大理石として馴染みの素材「コーリアン(CORIAN)」を使うことであった。


コーリアン素材の入手について

DuPont社の直販を含むルートでは、とても使い切れないほどバカでかいサイズの定尺ものしか買えないようだし、6mm厚の製造も終了するような事が書いてあったので、もっと小さくて安く買えるルートを探すことにした…

結局、見つかったのは お菓子や麺を打つときにまな板代わりに使う「ペストリーボード」という加工物、厚さ6mmでサイズは約53cm×43cmで価格は1500円でした。 今回使用するにはホンの僅かなので相当余ってしまいます、捨てるに忍びなくてどうしようかと思ってましたが、けっこう熱に強いのでハンダ付け作業をするときの下敷きにグッドだったので切り口を面取りしてちゃっかり再利用してます(笑)


ボードの切り出しと加工

メタアクリル樹脂は見かけよりズッシリと重く非常に固いのですが、意外に脆いといいう一面もあるので、加工するには慎重に工具を選ぶ必要があります、手動工具ではまず全く歯が立たないのでトライする方は覚悟を決めて電動工具を購入することを強くお勧めします。

使用した工具

人造大理石といっても、所詮樹脂ですからカットや穴開けができます、使用した主な工具は以下のものです


ステップ1:型取り

まずは厚紙を使いボードのデザインを現車に合わせながらカット&トライで決定します、最終的には左右別の形状となりました 型紙のPDFを置いておきます。

VW Touran 用 Dash Board Speaker Buffle Template (PDF形式)


ステップ2:形状けがき&穴開け

型紙を素材に転写してから、トリマーのストレートビット(6mm)が入る大きさの穴をのドリル(8ミリ)で開けます。
スピーカーユニット用の穴は、端材でガイドを自作し、これをカーペット用テープ等で貼り付け、さらにクランパーで押さえてズレないように固定してからトリマーで切り抜きます。
穴が抜けました、すごい音と切り屑が出るので耳栓とマスクは必須です。
この段階で、ちゃんとユニットが入る事を現物で確認します。
2枚目の加工は、一枚目を裏返して重ね、これをガイドにして加工します、
ツイターを埋め込むためにサグる加工をします、今回はこのビットを使いました
サグり加工が終わったところ、切り欠きはツイターの線を通すためのものです。
ようやく左右の2枚を切り出すことができました。
ウーハーを取り付けるためにM4のタップでネジを切ります
ウーハーの裏側にはテーパー加工をし、周囲も軽く面取りして完成しました。

軽くひっ叩いてみても、いわゆる「鳴き」が非常に少なくイイ感じのものができました、同じ位の質量のものを木材で作ろうとすると、紫檀や黒檀の類の高級素材になってしまうし、木目もあるのでこの厚みでは加工が困難だったろうと思います。



実施日 2008.Jul.12th
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