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TAS6422 Amprefire Fix & Modification

TAS6422 Class-D 2.1MHz Switching

Full Digital Amplifier

TAS6422パワーアンプ開発の記録


Introduction:

 ここ2〜3年はTI製のTPA3116D2を 使用した中華アンプ基板を何枚も買っては気に入らず改造に購入価格以上の費用をかけて手直ししながら使ってきたが、そろそろ 自 分で好きなようにデザインしたアンプ基板が欲しいと思っていた。 そんなタイミングで非常に気になるスペックの石が登場した、同社のTAS6422で ある。 クラスDのパ ワーアンプ は数多くあれど、なんとスイッチング周波数が2.1MHzという未知の領域の音を体感してみたくなった。 信号入力がデジタル接続でI2S のみという点でどうするか引っかかってい た。FreeDSP Classic SMD A/Bに接続する専用アンプという割り切った構成も考えたが、やはり普通のアンプとしても使えるものが作れないだろ うか?とずっと考えていた。単純にADCを接続すればア ナログ信 号でドライブすることはできそうだが、これではわざわざI2S 接続して鳴らす意味が不明だし、フルデジタル接続の メリットが 体験できないことには作るにも使うにも意味が無く なってしまう。 しかし外部からのI2S デジタル信号と切り替える には複数 のロジック ICが必要だ。  アナログ入力のアンプと違ってTAS6422はマイコンで設定をしてないと音さえ一切出ない、使い勝手を考えたら一般的なS/PDIFでフルデジタル接続でも鳴らせるよ うにもしたいところだ。 今回は基板を作って電源を入れれば動作するという訳に行かないので、作るからには中途半端な簡易仕様では満足できずどんどん敷居が上がってしまうばかりな のであった・・・
 もし、これら全部を個別のICで載せていたら何個ものインターフェースICが必 要となって10cm x 10cmの基板だとデジタルプリ部分だけで一杯になってしまう、そこで登場した救世主がPCM9211と いう少々毛色の変わった石でADコンバーターに加えてDIR、 DIT、ルーティングがプログラム可能なI2S入出力とこの基板の ために存在するかのような内部構成で、スイッチャーとインタ フェース群が一体と なったような石ながら価 格もリーズナブル。 おまけに入力されているデジタル系信号のサンプリング周波数を判別できるという点も入力信号のサンプリング周波数に合わせて設定を変える必要があるデ ジタルアンプにはピッタリなのであった・・・


Circuit Design Concept:

PCM9211が持っている機能を最大限に利用しつつ、コンパクトな経 済的基板サイズに載る範囲でやりたい事を決めていった。PCM9211の基本機能として上限96kHzサンプリングのADコンバーター、同軸も対応の S/PDIFレシーバー、I2Sの入出力、光対応のS/PDIFトランスミッターがあって、これらの間を自由にルーティングしてTAS6422に I2Sで出力できるのだが、最近流行っているHDMIケーブルにLVDSでI2Sを流して接続するD/Dコンバーターとの接続も可能にして、アナロ グ、光、同軸、LVDS-I2S、3.3VアンバラI2S接続方式による音の違いを聴いてみたいという単なる技術的興味から入 力系が増えてしまい次のような回路構成となりました。

System Block Diagram



 トランス使用の同軸出力回路も一度は基 板に描いてみたが載りきれなかっ たので割愛せざる得なくなった。デジタル接続 という事もあって基板のスペースとコストの関係からも ある程度割り切って同軸はトラ ンスなしの不平衡入力回路としたが、デジタル接 続なので少なくとも これが原因でブ〜ンとハム音が載る事はないと思う(笑) デジタル出力系統についてはバイアンプ接続で鳴らす時の事を想定して付けてみたが、将来的には単 なるアナログ→S/PDIF, I2S、同軸→光のコンバーターとしても使えるように信号ルーティング機能を対応させる予定。 PCM9211とTAS6422はPICマイコンからI2C経由で制御、操 作子としてクリック付きのロータリーエンコーダーとボタンが一つだけ、表示は3桁の7セグLED(小数点付き)を電流ドライバーなしでPICのポート直で駆動するという最 小 限の 構成。 ver0.2ではデバッグ作業を快適にするためにI2C接 続のキャラクター液晶を接続することで開発環境を改善できるようヘッダーを追加しました。


Board Design Concept

最初に基板の大きさが決まっているので、これに載る範囲の部品を選定。一番の大物はヒート シンクで24V電源でフルパワーの150Wも出したら30W近い熱が出る可能性がある訳で、軽量だがフィンが長くて取り付けネジ穴も あって130円と安価に入手できる30P61A(30mm x 61mm x 30mm)を採用した、12V駆動ならかなり余裕がありそうなので普通に家庭で使う音量の範囲なら発熱量は4〜5W程度だから16PB017-01025と いう(16mm x 25mm x 16mm)程度のごく小さいヒートシンクを貼り付けておけばなんとか耐えられるかもしれない。一方、最大出力を望むのであれば電源電圧は24Vで駆動する必要があるが、電 源電圧24V の時の TAS6422のアイドリング時の電力はデータシートによれば0.8W強で貼り付けタイプの小型ヒートシンクでも対応できる程度だ、しかし2.1MHz動作時のアンプ部の 効率はデータシートによれは75%〜80%程度なので最大で 片chあたり50W出力のときPVDDに流れる電流は約5.6Aで、そのうちの33Wが最悪の場合熱になってしまう、測定時以外ではこれほどの連続出力をするケースはほぼ 無いとは思われるが、経験的にみてフルパワーで鳴らす機会が頻繁にあるのなら20W程度の放熱に対応できるヒートシンクを搭載する必要があるだろう。この IC内部にはダイの温度センサーによるシャットダウン保護機能があるので、仮に小さいヒートシンクであっても動作が停止するので致命的な故障にはなりにく いと思われる。 ちなみにシャットダウンする温度はマイコンからI2C経由で設定できるが、私は一番低い温度に設定して使用してい るが、いまだ保護動作に入った事はなく、その前に過電流保護動作になってしまうのを何度も経験している。


 基板上のコネクターレイアウトは入出力系のコネクターと電源(ACアダプタ使用、 φ5.5mmスリーブ)をリア側に配 置、反対側のフロント側にスピーカー端子を配置し、余ったスペースに無理やりロータリーエンコーダーと3桁のLEDモジュール、押しボタンスイッチを詰め込んだ。  実際にケースに入れる時の事を考えて操作部分の基板を切り離してライトアングルのピンヘッダーで繋いだり、ワイヤーで延長したりできるようにミシン目を 入れて切り離せるよう工夫をした。入出力切替式のI2S端子は2.54mmピッチのヘッダーを基板の左側端に配置した。SMD部品 は実装が楽な2.0mm x 1.25mmサイズを採用、音質的な問題でMLCCが使えない箇所はスルホールタイプのケミコンやフィルムコンを採用した。 以下に簡単な設計仕様を記します。

Initial Version Board Image

Target Specification:




Schematic Circuit Diagram

ver0.1の回路は多少変更が必要になってしまったので、以下に近日製作予定の ver0.2回路図を示します。

TASP6422 Amp Schematic (ver 0.2, Part1of2)

動作解説1:
 左下が電源回路でTAS6422のVBAT電圧の制限(上限19V)を超えてPVDD電 圧の上限一杯の 24VまでのACアダプタを使用可能にするためにRohm BP5293-50という高効率DC-DCコンバーターでVBATの12Vを生成している、このPS1の代用品としてCUI製の VX07812-500/1000などの3端子レギュレーター互換ピン配置のものが使える、こうして得られた+12Vからシリーズレギュレー ターでアナログ用+5Vと ロジック 系+3.3Vの電源を作っていますが、この+3.3V生成用のU2は結構発熱量が多いし、ほぼデジタル系の電源なのでSMPS化したほう良いかもしれませ ん。 TAS6422のPVDD電源ラインには基板の表裏隙間なく実装することで最大8個の有機固体コンデンサーが搭載できるようにしました。基板上面側 のコンデンサーだけはSUNCON製の5ME1000WGL等 にして大容量化を図るのも良いかもしれないが、使用するACアダプタによってはインラッシュ電流で立ち上がらなくなくなる場合があるので程々にしておくべ きだろう・・・
左上のPCM9211が入力のインターフェスICでOPA1652をゲイン1のバッファに 使っています。ここの動作点はPCM9211内蔵のADコンバーターのリファレンス中点電圧と同じになるようにしているのでC17とC18は無くても大き くDCがズレる事はないと思いますが、念の為ノ ンポーラの電解コンを入れてあります。PCM9211のADCは24.975MHzのクリスタルのクロック で96kHzサンプリングで動作していますがソフト設定で48kHz動作に切り替えることも可能、このほかPCM9211のpin28〜31のLVDS- I2Sコンバーターからの入力線、pin11〜14のAUX I/O(I2S入出力)があり、回路図右上側には、S/PDIF光レシーバーと同軸のS/PDIF入力、S/PDIF光トランスミッターがあって、その下でTAS6422 がI2Sバスで接続されています。D3のRGB-LEDは電源オンで青色、J8ジャンパーをショートでスタンバイ状態に緑色点灯、 TAS6422による保 護回路が動作している場合には赤色点灯します。 不測の事態に対処するためPICマイコンよる強制ミュート制御とLVDSでDSDが送られてきてしまった 時にミュート動作が可能なようにしています。 残念ながらPCM9211にはSRC(sampling Rate Converter)を装備していないので、いわゆるハイレゾ192kHzの音源はデジタル接続での再生はできません。

TASP6422 Amp Schematic (Ver0.2, Part2of2)

動作解説2:
2ページ目は左上からICSP対応のPICマイコン回路、その下はLVDS→I2Sコン バーター部で、この先はPCM9211のI2S入力に接続されます。 右側はロータリーエンコーダーにLEDとスイッチ部で、一見 無駄に見えるヘッダーと ソケット(J9〜J12)がありますが、実はこれは点線部で基板を切り離して分離できるようにすることが可能になっています。 このページの冒頭の画像の ようにライトアングルヘッダーピンとソケットで90度向きを変えて一体化することもできますし、パラレルワイヤー等でフロントパネルまで延長することもで きるようにと考えました。




PCB Design

今回もki-CADとFreeRouteを使用して設計を行いました。何度も配置を変えな がら自動配線のトライを繰り返して最終的に30本程の配線は完全な手動で描きましたが、かなりの部分をFreeRouteで描いています。回路的に一 見無意味に見える0Ωジャンパー抵抗は明示的にGNDパターンを分離した自動配線を可能にするために入れたものです。面がけしている部分のネット分割は結構細かく分けて います。

Ver. 0.2 PCB Top View


Ver. 0.2 PCB Bottom View



細かい修正を施したVer0.2で2回めの基板を試作するつもりだったのですが、I氏から 「IRリモコンレシーバーを入れられないか?」という提案があり、それは便利かも?ということでIRレシーバーを追加し、PICからTAS6422のスタンバ イ端子を制御できるようにピンアサインも変更しました。 他のマイナーな変更としてはロータリーエンコーダー周辺の部品を移動して固定ネジ穴がヒートシンクと 干渉する量を減らしました(小型のヒートシンクの場合は関係ないですが気分的なものです)ミリングの形状も変更したので多少は基板を割り易くなったと思いま す。
 今回もJLPCBにPCBAまでを発注、思い切って基板10枚試作のうち10枚全部PCBA 依頼しちゃいました(汗)ver0.1基板の時は基板5枚試作して2枚PCBAを依頼して中国から日本への送料込みの費用 は3,173円、今回のver0.3は基板10枚試作して10枚全部をPCBAしましたが送料込みの費用は$60強で5倍の10枚作っても値段は2倍程度とアマチュアの自 作でも気軽に利用できる程度のコストで作れました、ホント便利な時代になったものです。PCBAで上がってきたver0.3の基板の画像です。

Ver. 0.3 PCB Top View

Ver. 0.3 PCB Bottom View


Building Board

Ver0.1 TAS6422 Amp Board Photo


最初のバーション0.1の基板画像、この基板はJLPCBに 基板5枚製造を発注して、その内2枚だけを同社の標準扱いの部品に限定してPCBA(部品実装)を依頼、PCM9211だけは高額なキャリッジ交換費 用を払っても普通にデバ イスを購入するよりも安かったのでこれだけ特別に実装に加えました。残りの部品の殆どは秋 月電子MOUSERで 購入。

手作業で残りの部品を実装し動作検証していくなかでver0.1基板で以下の点を変更、LEDのコモン端子駆動用MOSFETを削除しPICで直ド ライブ化、LOCK表示のLEDの駆動MOSFETも削除、アナログ信号入力表示LEDの追加、LVDSレシー バーの配線間違いを修正、TAS6422ブートストラップコンデンサ周辺パターン変更などの修正を盛り込んで、現在はこれらを変更修正したVer0.2の基 板の情報を掲載しています。

以下にPWM出力波形をキャプチャーしたものを示します、Analog Discovery2のため帯域が狭いのでトランジェント波形は判断できませんが、左右chでタイミングをズラして2.1MHzスイッチング動作しているのが判りました。


この出力を次段のリコンストラクションフィルターでLPF処理することでアナログ信号に戻る訳 なので、そこで使用する部品は音質に大きく影響します、少なくとも使用するインダクターはあらゆる使用状態でも磁気飽和しないものを使わないと見かけのインダ クタンスが無くなって痛い思いをすることになります。 今回はサ ガミエレク製の大電流20A対応のものを採用しました。基板のパターンは13mm角のSMDインダクターまで使用可能になっています。コンデンサ の方は理想的にはESRが一桁低いMKC(ポリカーボネート)を使いたい所です がべらぼうに高価なのでMKP(ポリプロピレン)やMKH(ポリエステル)あたりで安価に流通している物で手を打ちました。 無信号時の消費電流は16V駆動時で約165mAつ まり2.6W強の発熱があります、高速スイッチングなのでクラスDのアンプにしては消費電力が大きめですが、それと引き換えにアナログライクな高域音のスムースさとデジタ ル接続ならで はのクリアな音の輪郭と音像定位の安定感ある音が得られました。


Ver.3 AMP BOARD PHOTO


画像ではPIC16F1829が挿っていますが、このバージョンの基板からはマイコンをPIC16F18364に変更しました。理由はプログラムが肥大化し て入らなくなったことと、FLASH-ROM領域が2倍になって値段も安くなるためです。ボード見た方からの助言で空きポートに赤外線リモコンの受光器を搭載 しました(ソフトウェアの対応は未定です) 未使用時の自動スタンバイ移行が可能なように、TAS6422への制御線も接続しました。 それと表示部の基板の 分割がやりにくかったのでコネクター部分のレイアウトを少し変えています。 発熱が多かった3.3VレギュレーターもCUI製ものに変更し、ついでに12V用 の石もCUI製にしてみました非常に小さいものですが高効率なため殆ど発熱がありません。 この基板ではリコンストラクションフィルターにSMDタイプ のHA72L-12654R7LFTR(13mm x 13mm)を使用していますが、基板はさらに低DCRなサガミエレク製のインダクターとの両方に対応しています。



Software Development

Microchip提供のMPLAB Xで開発、今回初めてMCCが吐いたコードを使って作ってみました。以前のスクラッチからだとデータシートの 熟読が必須だったのが、今回は殆ど読まないで作れちゃたので時代の流れを 感じてしまいました。 開発環境はこんな感じで進めています・・・

A snapshot of debugging.

I2C 接続の4行x20文字キャラクター液晶モジュールを増設したので、豊富な情報量の表示に 助けられて順調に進行中。このLCDは5V駆動なので通常はレベルシフタを挟んで駆動しなければ使えないのですが鬼 改造することで強引に3.3Vで動作させています。 ち なみに、机の上の白い大理石板状のものは麺 打ち用のペストリーボードでコーリアン素材のため絶縁性があり、かなりの高温に耐えられるのでハンダ付けやヒー トガン作業にも重宝しています。

 PCM9211とTAS6422はPICマイコンとI2Cで接続し、 PICは必要なI/O数か らPIC16F1829を選択。基本的にタイマー割り込みで表示系と操作子の読み取りを行い、これをドライバーとしてメイン関数で操作の流れを記述というスタ イルで構築、ロータリーエンコーダーは1回転24ステップのクリック付きなので、クリック無しタイプの1/4の分解能しか設定できないため単純にエンコードし ただけだと0.5dBステップでピンからキリまでフルにゲイン可変するためには、なんと10回転以上も廻す必要があるため、これはチョッと耐えられないので ロー ターリーエンコーダーを操作する際の角速度を検出して最大で8倍速までアクセレートするようにした。 LEDの表示は3桁で各桁にドットが付いているダイナミック 点灯タイプなので-10dB以上では0.5dB単位の表示を、それ以下では小数点の点滅で0.5dBのステップを表現するという涙ぐましい努力を密かにやって ます(笑) 操作ボタンはただ1つで、通常はフェーダーのゲイン表示、短く押してからローターリーエンコーダーを廻してソースを選択、もう一度押せばフェー ダーのゲイン表示、もう一度ボタンを押せば戻って選択状態が保存されるというシンプルなもの。 またゲイン表示状態でボタンを長押しすることで細かい設定のコ ンフィグレーションがで きるモードを別に用意しています、こっちは短く押すと次のパラメーター設定に移り、続けてI2Sヘッダの入力と出力の切り替えを選択 し最後は設定保存してからゲイン表示に戻ります。 基板に入りきれなかったのでパターンはありませんがプッシュ クリック付きのロータリーエンコーダーなら回転ノブだけで操作ができます。 PCM9211のDIRがロックする範囲は192kHzまで対応しているが、 TAS6422が96kHzサンプリングが上限で、さらにこの石は入力しているI2S信号のfsに合わせて設定を変えないと音が出ないのでPCM9211の機 能を使いI2Sラインを常時監視してfsが変化したら再設定するようにしています。
TAS6422特有のプログラミング上の注意点として以下の点がありました。
現在まだAC負荷インピーダンス測定による保護機能は使用していませんが’、ショートや断線、 誤ったネットワーク回路接続によるC負荷などの人的ミスを電源オンの度に自動で指摘できるという新機能は今までにないインテリジェントなアンプが作れるという 点で目新しいものです、 音量、バランス、ソース切り替えまでインプリメントしたところでPIC16F1829マイコ ンの容量が足りなくなってきたので、来週からPIC16F18346に移行する予定

Download (Version 0.1 - 0.2)

Circuit Diagram :    TAS6422AMP_Schematic_0v2(pdf) 
PCB CAD Design Archive File ( Ki-CAD ) : TAS6422AMP_0v2_Fixed.zip(Ki-CAD Archive) 
Gerber File:    TAS6422AMP_Gerber_0v2.zip
Board & PIC Software Archive (MPLAB X) :Git-Hub
Board Dimensions Drawing:Board Dimensions(pdf)


Download (Version 0.3 or Later )

Ki-CAD Design File Archive :  Ki-CAD_Archive_0v3
PCB Gerber Files : GerberFiles + Production Files
PIC16F18346 Software: MPLAB X Project (with Hex-file)

GitHub (Latest)

CyberPit : TAS6422-AMP-Project


Audio Performance Check & Sound Impressions

 まずパワーアンプ部から、4Ωダミーロード負荷での歪とノイズのチェックをしてみまし た。 計測前にまずアナ ログ信号測定系の性能チェックから。


Electrical Performance Check(Board version 0.1Mod)

Measurement System Performance Check Result: (E-mu 0404USB Line-Out to Mic-Input performance)

\
0404USB はか なり古いモデルだが内蔵オペアンプを低歪なもの(LME49990)に交換しているので、測定に十分な性能がある事が確認できた。


ここからが、実際に動作させて測定した結果です、電源電圧は16V駆動。ソースは TOSLINKによるS/PDIF光接続です。アンプ出力をダミーロードに接続し、その両端の電圧を自作のバランス型のアッテネーターで分圧し0404USB のMic入力に接続して測定しています。帯域制限フィルターの類は特に使用していません。

TAS6422 1.5W output into 4ohms load Distortion Analysis  ( PVDD=16.5V, fs=44.1kHz, Optical S/PDIF to Speaker-Out, 4ohms Dummy-Load )

1.5W出力時では通常のクラスDアンプと比較してかなり低歪なのと、小音量でも高音域の音質 がクリアでディテー ルが失われない音が最初に聴いた時の第一印象でした。音像の定位に関しても全く揺れは感じられずビシッと決まるので安心して聴いていられる音と感じました。アナログ接続で は必ずといっていいほど観測される商用電源周波数(東日本なので50Hz)由来のノイズが全く見当たりません、これもデジタル接続の利点のひとつ。

TAS6422 28W output into 4ohms load Distortion Analysis  (PVDD=16.5V, fs=44.1kHz, Optical S/PDIF  to Speaker-Out, 4ohms Dummy-Load )

出力波形がクリップする寸前の出力スペクトラム、整数倍の歪が満遍なく発生している、この 辺りがこのアンプの特徴的な音色といえばそう言えるのかも知れない・・・・、保護回路のオーバロード検出機能は非常に敏感で、あと少しでもレベルを上げる と保護機能が動作を始めてしまいます。

次は電源電圧16V、ノンクリップ最大出力での周波数特性です。まず8Ω負荷で14W出力 時の出力周波数特性をテストした結果です

Power Bandwidth @8ohms dummy load (PVDD=16.5V, fs=44.1kHz, Optical S/PDIF to Speaker-Out 14watts)


ほ ぼ真っ平らでした。可聴帯域外も十分な減衰量が得られていました。

同様に4Ω負荷で28W出力時の出力周波数特性をテストした結果です

Power Bandwidth @4ohms dummy load (PVDD=16.5V, fs=44.1kHz, Optical S/PDIF to Speaker-Out 28watts)

8Ω負荷と比較すればわずかなリップルが見えますが可聴帯域内は十分にフラットであり、4Ω負 荷時でも高域のレスポンスが落ち込んでいないので、リコンストラクションフィルターの定数もこれで問題なさそう。

次にPCM9211のADCの特性をチェックしました

PCM9211 ADC Performance @Input Level -24dB FS (ADC to S/PDIF OUT, fs=96kHz)


やや低めの入力レベルという厳しい条件だが、残留ノイズレベルは十分に低く高調波歪も見当たら ない良好な特性。

PCM9211 ADC Performance @Input Level -2dB FS (ADC to S/PDIF OUT, fs=96kHz)

通常は最大入力レベル寸前で最も歪率が低くなるものだが、本機はADC入力信号の振幅が大きく なると歪の量が増加していく、パワーアンプ部の特性と比較しても無視できないレベルなので、これがADC本来の特性によるものか、周辺回路や部品の問題による ものかを切り分ける必要を感じている。 場合によってはPCM9211内蔵のアッテネーターにゲインを稼がせてアナログ入力レベルを下げてしまうほうが実質的 に良好な音と特性となる可能性も考えられる。

Sound Impressions

まだ十分に大音量で聴き込む時間が取れないので、BGM的な音量から通常の家庭で聴く程度 の音量での印象です。
試聴は光接続S/PDIFで44.1kHzのPCM音源を使用、一聴して気づくのは音像の 定位が非常に安定していて揺れないこと、例を上げるとダイアナ・クラールのアルバムwallflowerでSuperStarを再生した場合に歌が入って きた部分でずーっと裏側で白玉で伸びて鳴っているストリングス音が他の音源に引っ張られて揺れてしまうアンプが多く、そうなるともうリラックスして聴いて られなくなってしまう性分なため、アナログなクラスDのアンプでは電源の安定度によって定位感の安定度合いが変わってしまうように感じる事が多かったが、 この石ではその傾向は全く感じない。 描かれる音像の輪郭はクリアであり音量設定を相当な範囲で上下させてもそのままの定位を保っているし、相当に音量を 絞っても音がボケたり霞んだりしないので安心して聴いていられる、この辺りはデジタルの音量コントロール由来の利点であろう。 音色的な面では特にトライ アングルやチャイムなどの高域のメタルパーカッションで澄んだ音がする楽器の音がアナログアンプのときのようにスムースに鳴るのが印象的で、このところ ずっとクラスDのアンプばっかり使っていたので暫く忘れていた感覚であった。極言してしまえば大半のクラスDアンプではタンバリンの音が「カシャッ」と 鳴ってるのが「グシャ」と、「チャリーン」と鳴ってるトライアングルが「ジャリ〜ン」いう感じのやや荒れた 感じや濁った音がしてしまうことが多く、MLCCが音声のカップリングに使われていたり、リコンストラクションフィルターに使われているインダクターが粗 悪だったり、スイッチング周波数が低かったりといろんな理由があったからだとその理由は判明しつつあるが、やっと大きな不満を感じないで聴いてられるクラ スDアンプに出会えたように思える。PVDDの電源のコンデンサーに330uFの固体コンデンサーを8個搭載しているが、このうち上面に実装している5個 を大容量なSUNCON製の5ME1000WGL等 に換装したものとの比較試聴とか、大音量時の印象とかアナログ入力の音質とか、デジタルでの接続方式による音の違いなどが評価できる機会があれば追記して いこうと思う。




Connectivity Check with NothFoxDigi Board

たかじん さんから頂いたNorthFoxDigi 基板とLVDS接続して96kHzまで動作するのを確認しました。アンプの石は96kHzまでしか対応できないので192kHzで は音が出せませんが、PCM9211のI2Sピンヘッダーと光S/PDIF出力からは192kHzまで出力できてるのを確認しました、PLLなどの余分な変化を受 けずに直のタイミングで伝わるこの方式はI2S本来の音が出せるのでDSPプリアンプにもLVDS入力を付けたくなりました。

De-facto Standard of LVDS-I2S Inter-Connection

LVDS接続と同軸S/PDIF接続を比べて気づいたのですがHDMIコネクターを使った LVDS-I2Sの仕様って、HDMI本来の規格を無視して勝手に使っている状態なので、何が正しいとは言えないのだけれど、市場でのシェアが多い方式がデ ファクトスタンダートとなるのが市場の常であり、いずれは長いものに巻かれる式に淘汰されていくものと思われますが、SONORE Computer Audio が公開している資料によればHDMIコネクターを使ったLVDS-I2Sの接続仕様には大きく分けて2つの接続パ ターンがあるようで す。差動信号 をHDMI規格のピン接続仕様と同じアサインのものを「+」で、逆相でアサインしているものを「ー」で表記すと以下のようになります。BCLKとMCLKは全 て同じなのですが、なぜかDATAとLRCKが逆相接続のグループと、そうでないグループに別れてしまっています。

Brand

DATA

BCLK

LRCK

MCLK

PS Audio

-

+

-

+

M2Tech

-

+

-

+

Denafrips

-

+

-

+

Empirical Audio

-

+

-

+

Musica Pristina

-

+

-

+

Channel Island Audio

-

+

-

+

DiDiT High-End

-

+

-

+

Matrix

-

+

-

+

X-Sabre

-

+

-

+

HiFime

-

+

-

+

Aune

-

+

-

n/a

wyred4Sound

+

+

-

n/a

LKS

+

+

+

n/a

Wadia

+

+

+

+

SMSL

+

+

+

+

Gustard

+

+

+

+

Pink Faun

+

+

+

+

Audiobyte

+

+

+

+

Rockna

+

+

+

+

JACS

+

+

+

+

Singxer

+

+

+

+

一覧にして見ると、やはりアメリカ勢PSオーディオ組が優勢のようですね、HDMI規格と同じ極性の接続でメ ジャーなのは Wadiaぐらいでしょうか、それと中華系のメーカーも多いように思えます。では具体的にDATAとLRCKが逆相接続になる機器と接続するとど うなるの?というと、「音は出ます」しかし左右chが逆になり出力が位相反転して、 ごく僅かではありますが波形が1LSBぶ んだけ並行移動します。 現状のTAS6422基板 は自分が持ってるGustardのDDCを何 年か前に解析した時の資料を見ながらこれに合うように設計したので同社の製品やWadia、SMSL 等との接続なら問題ないのですが、現在ではマイノリティ組の仕様になってしまいまし た。 基板の改造で対処してしまっても良いのですが、確かTAS6422のレジスタ設定で左右chの入れ替えができたような気がするのでソフト切替えで変更できるかどうか 検討してみようと思いま す。 ただしデータは反転出来なかったように思うので当面はSP端子の極性接続の挿し替えで対応が必要ですね。 根本的に基板の設計から変更する機会があれば74LV86 をI2S経路に入れてPCM9211のGPIOでソフト側から設定で位相切替えに対応できるように仕様を追加しようと思い ます。



Casing

  いつまでも基板を裸で使っていては壊してしまいそうなので、ケースに収めることにしました。7セグLEDとロータリーエンコーダー部分の基板は分 離可能に設計しておいたので、分離した基板間を配線で前面パネルまで延長して接続します。あらかじめ基板の 切離し部分には細かいミシン穴を開けていたのでですが意外に頑丈でそう簡単には折ることができなかったので両面からカッターで何度も引っ掻いてVカット加工することでなん とか折ることができました。圧接のリボンケーブル&コネクターが使えるように2列のピンヘッダーにしておけば良かったなと今頃になって気がつきま した(涙)

  基板が分離できたことろで収めるケースですが、VDD電源のデカップリングキャパシターを超低ESRのSUNCON製1000uFに換装してある のでスリムな背の低いケースでは収めることができず、無理なく収まるタ カチ製のKC5-13-15BBを採用しました、このケースは前後パネルが1.5mm厚の完全な平板なので非常に加工が楽に行えま す。

こ こで、長年欲しかったボール盤から心変わりして輸入したCNC3018pro MAXの登場です。まだ十分に使いこなせてませんが、まずは使わないことには上達しないので今回は電ドリを封印してずべてCNC加工でやることにします。 CNCマシンは 種別的には3軸のフライス盤なので、単なる穴あけだけでなく、ザグったり、切り出したりできますし、V型に尖った半円形のミルを使えば細かく彫刻 することもできるのでパネルの穴あけから文字入れまでこれでやってみることにしました。

パ ネル加工に適切なミルの回転速度が判らなくで切削したアルミが摩擦熱で溶けてくっついてしまったり、溶けたアクリルがミルに巻き付いて溶融3Dプ リンター?みたいになったりする失敗を経験しながらも、何とか良さそうな加工条件を出すことができて加工することができました。

穴 あけには3.18mmのフラットエ ンド型ミルを、文字入れにはV型のミルを使いました。前後それぞれに30分程かかりますが観てるだけなので楽ちんで、これまで手にマメ作りながら ケース加工していたのが遠い昔の話しとなりそうでもう手放せそうにありません。

・・・ というわけで、完成したケーシングの画像がこれです。

Front Face View

Rear Face View

Rear Inside View

前面パネルの裏側に練習で彫り込んだ文字が見えてます(笑)、レタリング文字は彫り込みなので 消えることはありませんが、絶対に失敗は許されないのでマシンまかせとはいえ非常に緊張します。 それでも手加工よりはるかに上手に加工することができまし た。


[注意事項]

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