ONKYO WR-BT300 (Bluetooth Receiver)


近年、iPhoneや殆どのスマホにBluetoothが搭載されるようになったが、10年程前に試したときはサブバンドコーデックに起因する劣化が非 常に激しく、再圧縮を伴う故の音質劣化が著しかった そのため「こりゃダメだ」と完全にサジを投げて記憶の奥で没にして忘れ去っていまし た。 しかし、最近A2DPプロトコルでAACやApt- Xなどの劣化が非常に少ないコーデックが使える状況になってきたので、こりゃ流れに乗らなきゃなと思い立ちBluetoothレシーバーなるものを購入 してみたのであった・・・

一流オーディオメーカーブランドの製品だという思い込みからなのか、ネットでの書き込みを見る限り比較的ポジティブな評 判が多かったのと、S/PDIFデジタル光出力が付いていたので買ってみたが、オーディオ的観点では非常に残念な製品だったので、記念に感想と中身の基板 画像を載 せておきます。

実勢価格で6千円弱もしますが、ケースは非常に小さくて2個の重り入りの簡単な箱に基板は一枚だけ。 フロントパネルのLEDは写真のようにワイヤーで直付 けされており抜くことできません。

Rear View

基板の裏側はこんな感じで部品は何もありません
Bottom View

では、期待に応えて基板のクローズアップ画像と解説をば・・・
WR-BT300 PCB
右上の青い部分がCSR社のチップを搭載したBluetoothモジュール、その下に見える子基板に付いてるUSB min-Bは電源取り用のインレット、その右 はすぐすぐスリープして寝てしまうモジュールを起こす為に何度も押す必要がある面倒なボタンです。 
そして左に二つ見えるWolfsonのICは、なんとADコンバーターとS/PDIFのトランスミッターです。
そうです、賢明な読者の方ならお気づきでしょう「DAコンバーターはどこなの?」と・・・

 非常に残念なお知らせですが、基板のほぼ中央に見える8ピンのSIOCの石はごくごく普通の安物Dualヘッドフォンアンプです。 
このオペアンプは差動入力回路を構成していて、右側に4つ並んだ抵抗とコンデンサーに続く先はなんとBluetoothモジュールなのです!
つまりこの電話用メインのBluetoohチップ内蔵のしょぼいDACの音をバランス受けでありがたく頂戴してRCAピン端子から出力し、
さらに一旦アナログに変換されたこの音をWM8782Sで192kHz/24bitでまた再サンプリングしてからWM88046でS/PDIFオプティカルの「デ ジタル出力」として送出しています、しかも相当な高級機でないと対応していない光192KHzという高サンプリングレートで!
たかが6千円のデバイスではありますが、ある意味中途半端な知識を持つユーザー層をまるでバカにしたような構成だったのでした。

「デジタルだから音がいいはずだ、しかも192KHzのハイレゾだぞ」なんて言いながら得意になってる可哀想なユーザーの声が聞こえてきそうな気がしてしまいまし た。
実際の出音も基板を見てしまった私の期待を絶対に裏切らないものでした。 

あぁ〜残念!


これでは改造するにも値しないので即刻、コ レに買い替えることにしました・・・



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更新日 2014.Oct.24

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