Creative SoundBlaster USB (Digital Music)


比較的リーズナブルな価格で購入できるUSB-Audioインタフェースでありながら、S/PDIFとアナログ両方の入出力を装備しているためかなり便利に使える一品である。 これとノートPCさえあれば簡易型のオーディオ測定システムが簡単に構築できるのが魅力である、使用する際に入出力レベルが固定というのも測定用途にはかって好都合である。

上の画像の左側にUSB端子を接続するだけで電源はPC側より供給される。
デジタル入出力オンリーかアナログかの切り換えは側面のスライドスイッチで行う。
Sound Blaster Digital Music USB-Audio interface 内部基板の画像 (改造後)
これほど便利な製品なのに、残念なことに かなりの確率でノートPCのUSBポートでは動作しない事が多い、平均の消費電流は160mAとUSBバスパワー上限の500mAからみれば決して多くないのになぜ動かないの? という疑問が湧いてきてしまうのは私だけではないであろう。
そこで、消費電流を測定してみるが確かに定格どおりで、よくあるUSB接続の外付けHDDが供給電流不足で動かない場合とは違う状態のようだ。 何度か抜き差しを繰り返すと、ごくまれに認識される事があったので、問題はUSBケーブルを挿した瞬間の立ち上がりにあると推測した。 基板のパターンを追っかけていくと5V系の電源制御回路と3.3V系の制御回路があるが、起動に失敗したときは5V系の電源が供給されないことを突き止めた、ここまで原因が判ればあとは力づくで対策を講じるだけである...

USBバスパワー動作の改善 (Shoot the shortage of USB Bus-power trouble)

USBケーブルが接続され、SoundBlasterが起動しようとする瞬間だけが問題で、回路に十分な電流が供給できないのが原因なのだから、ここでは簡単に電源のデカップリングコンデンサーを追加することで、問題を解決することにした。
上の画像で解るように100uF〜470uF程度のケミコンを増設する、たったこれだけの事で、筆者が試した限りデスクトップPCを含む全てのノートPCで全く問題なくUSBバスパワー使用ができるようになったのである、他の人はどう感じるか知らないが、筆者の場合ノートPCを電池動作させてフィールドで測定ができるようになったメリットは計り知れない。 特に車載しているオーディオ機器の測定には威力を発揮しそうだ。 早速ループバック動作をさせてSoundBlaster Digital Music自身のアナログ特性を測定してみた。
DAC→ADC周波数特性の測定結果
DAC→ADC歪み率特性の測定結果
DAC→ADCダイナミックレンジの測定結果
クロストーク特性
測定結果

Item

Creative SoundBlaster Digital Music (USB-Audio)
Samling Mode 16bit 48kHz
Frequency Response +0.22dB, -0.14dB
Noise Level (A-WTD) -88.3dB
Dynamic Range 87.6dB
T.H.D. 0.0045%
IM 0.013%
Crosstalk -88.6dB
本格的な測定にはやはり96kHz 24bitのオーディオインタフェースを使用したいところであるが、アマチュアが簡易的に測定する程度なら、数千円で購入できる本機でも十分な特性であることが判った。

尚、上記の測定にはAudio.Rightmark.Orgが配布しているRMAA(Right Mark Audio Analyzer)というフリーのWinソフトを使用した。

RMAA形式の測定レポート


[注意事項]
 本情報は、確実な性能及び動作等の一切を保証するものではありません。 従って本情報に基づいて機器を改造した際に、機器が動作しない、もしくは、期待した性能が得られない等の障害が発生したり、万が一に事故等が発生したとしても、当方は一切の責務において関知しないものであります。 従って実際に機器の改造を行う際は、あくまでも各自、個人の責任において行ってください、腕に自信の無い方は絶対にトライしないで下さい。
[Caution:] (If you use above information, At Your own risk!)

更新日 2004.May.4
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