MODIFICATION EONON ISDB-T 1SEG DIGITAL TV TUNER (1030J)


激安車載ワンセグチューナーEONON SK887JS 改造編

激安で買ったは良いが、あまりにも激しく歪む音声に耐えられず、購入2日で見切って改造(改善)することしました。


状況について

歪んでる音声の出力波形は、こんな状況です。 (1V/div)

回路の電源電圧は+5Vの片電源ですので波形の中点が約2.5Vなのですが、波形スイングの上限は4V強ほど出ますが、下限が2V強でクリップしてしまっています。

これが問題の回路周辺です、

上側のHCF4053が映像と音声を切り換えるアナログスイッチ、中央の8ピンのICは「普通」のデュアルOPアンプの石NJM4558Dです、この石は低電圧用ではないので出力スイングを電源電圧いっぱいまで振ることができません、クリップさせないように電源電圧が5Vなら出力振幅を2Vpp程度に押さえておく必要があります。

部分的ですかオーディオ周りだけ簡単に回路を読んでみると、こんなカンジでした...
チューナーモジュールの出力はアナログでフレキケーブルを伝ってHCF4053に入ります、この時点での振幅は約1Vppです。 HCF4053を出たオーディオ信号はU4の反転アンプで約7倍(33K/4.7K)にも増幅され7Vpp相当の波形になりますが、電源電圧が5VしかないしRail-To-Railのオペアンプでもないので、7Vppの波形のうち4V相当は歪んでしまいます(汗)


ついでのビデオ信号のほうもチェックしてみました、振幅はほぼ問題ないレベルだったのですが出力カップリングのコンデンサーが抵抗でターミネートされてないので電源投入からかなりの間2.5Vほど波形がプラス側にシフトしたままになっています、機器によってはハイインピーダンス受けの事があり、その場合に信号切換時とかに同期が乱れるなど多少問題が出る場合があるかもしれません。

そこでこの問題についての対策です...

ビデオ信号出力については、下の画像のように10KΩ程度の抵抗を、出力ピンとGNDの間に付けて対策しました。

これで数秒でビデオ出力の電圧は規定の電圧になるはずです。


続いて、オーディオ回路についての対策です...


なんせ安いだけに、けっこう売れてるようなので。この記事を読んでもし自分で同じ事をやってみたいと思う方もあるかもしれないと考えて、奨励はしませんが幾つかの難易度別バージョンに分けて対策を考えてみました。

内容

コメント
方法1 オペアンプ交換1個、チップ抵抗交換4個 本来すべき対策方法、この程度の設計変更がなされるべきでしょう....
方法2 チップ抵抗交換2個 簡易案、チップ部品が交換できる方向け、AUX音声の感度が落ちます
方法3 抵抗をパラ付け2本 簡易案、チップ部品が交換が苦手な方向け、AUX音声の感度が落ちます


【方法1】

用意する部品リスト

ステップ1:上の画像のオペアンプU4(4558D)を外し、TDA1308等に交換します。

ステップ2:赤丸で囲った入力抵抗(R45/R44, 472と印字)を外し、15kΩ(153と印字)に交換します。

ステップ3:上の画像の分圧用の抵抗R50/R55を100KΩに交換、もしくは単に取り外します。 かなり狭いのでRCA端子を溶かさないよう注意してください(一旦外すと楽です)

尚、AUX入力を使わない方はステップ3の改造は必要ありません。

以上で改造は終わりです。


【方法2】

用意する部品

ステップ1:上画像で赤丸の抵抗(R44/R45)を外し、22KΩと交換します。

以上で改造は終わりです。 AUX入力の感度が落ちるので、どうしてもAUXを使用したい方は方法1のステップ3も実施してください。


【方法3】

用意する部品

ステップ1:上画像のオレンジ色で囲ったチップ抵抗(R41/R42, 333と印字されている)はそのままで、これと並列に10KΩの抵抗を並列接続します。

以上で改造は終わりです。 AUX入力の感度が落ちるので、どうしてもAUXを使用したい方は方法1のステップ3も実施してください。


注意事項:

記載されている内容は、その一切がメーカーとは関係なく全て個人の責任において実施したものであり、製造メーカーを誹謗中傷する意図は全くありません。 当方はこれらの記事の内容および結果について一切の責任を負うものでもありませんし、改造を推奨するものでもありません。


掲載日 2009.Jul.27th
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