Measurement Data Library



Analog Discovery2用 S11インピーダンス測定データ集

Introduction:

普通にテスターやブリッジで測った程度では見えてこない部品の特性がネットワークアナライザで 解析すると見えてくることに気がついてからは、気が向いた時に測定したデータを追加していたら量が増えてしまって制作編の内容と入り組み読みにくくなったの で、別ページにまとめて掲載してすることにします。 測定環境がまちまちなので厳密な違いは誤差と思って無視しください。 特に電源(電池)の測定はDCカッ トを入れた測定系なので低い帯域の特性が正確ではありませんのでご留意くださいませ。



Capacitors



周波数ーインピーダンス特性 (0.1uF MLCC)

1.6MHz付近にMLCC特有の高周波域の共振点があり、それ以上の周波数域では位相特性からしてインダクター的な動作である事も判る。


周波数ーインピーダンス特性 (0.47uF MLCC)

0.1uFと比較すると、容量が大きい分だけ共振周波数が低くなっているのが判る。


周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用)

MLCCのような鋭いデップは見られないものの、インピーダンス的にはQが低くESRも数Ωと高いので高周波向きでない事が良く判る、ハイインピーダンスな回 路でオーディオ帯域の信号カップリング程度にしか使えないだろう。

周波数ーインピーダンス特性 (R11=10Ω使用)


上の電解コン1uFと比べると容量が大きい分だけ低い周波数での効きが大きく、10mΩ以下と圧倒的に低ESRであることが判る。 
高周波域ではそれなりに上昇してしまうがそれでも十分低く、NJM2360やそのバリエーションの遅めのスイッチング電源とかの電源デカップリング用途に向い た特性と言える。


Inductors

 ver2.0基板で測定

周波数ーインピーダンス特性 (R11=10kΩ使用)

コア入りのインダクターであるが、3.2MHz付近に自己共振点があるので超高速のスイッチング電源に使う際には注意が必要そうだ。


Driver Units

小口径フルレンジSPでお気に入りのユニット、2wayシステムの中高域担当のツイターとして 使う予定。

周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用、x100レンジ)

最低インピーダンスは4.0Ω、fsの周波数254Hzでのインピータンスは16.8Ω、このグ ラフからT-Sパラメーターを求めてみると、RE=3.7, Rmax=16.8, ro=4.54, Rx=7.9, Qms=1.54, Qes=0.43, Qts=0.34となった、データシートに公開されてるfoは166Hz±15%で、その他のパラメーターもなんかと随分違う、中国生産になって別物になっ てしまったのだろうか?
いずれにせよ現物に合わせるしかないので315Hz辺りで24dB/octでクロスさせて2wayのシステムを組んでみようかと構想中・・・
iPhone持ってる、みんな持ってる?EarPods (使ってないけど・・・)


周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用、x100レンジ)

iPhone6sに付属していたイアホンEarPods、あまりにフラットな特性だったのでy軸はリニアで表示している、RANGE=x100なので fs@118Hzでのインピーダンスは 35.8Ωで、最低インピーダンスが32.8Ωであった、非常にブロードな共振特性である。

実はXBA-A2の音がパンチが効いてて気に入ったんだけどあまりの馬鹿デカさに断念し、次に試したXBA-2の方がバランス良かったけど6割引セールでこっ ちの方が安かったから、まぁいいかとゲットしたという実に節操のない理由で選択したものの幾度もの断線を乗り越え未だ電車中での耳栓+αとして活 躍中(笑)

周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用、x100レンジ)

3wayで4つもユニットを積んでるのでこんな奇怪なインピーダンス特性でした、中低域の最低インピーダンスは7.5Ωとメチャ低いし、上の方は かなりQも高そうだ、どうりで鳴らせにくい訳だ。 位相特性から4kHzと8kHz辺りでクロスしてそうなんだけど第一こんな近い帯域でユニット分けなきゃな らん程にバランストアーマチュア型って再生帯域狭いのだろうか?という疑問を感じる?クロス周波数の設定ではある・・・
随分前に購入したままで死蔵してたのを測定してみました

周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用、10mA定電流駆動で測定)

実はWaveForms2015のネットワークアナライザ機能には「Custom Two」というユーザー定義のプロットを描く機能があったのを今頃になって気づいた(汗)、この機能を使えばインピーダンス直読のグラフを描ける事が判ったので早速測定で 使ってみた。 使い方は右タブの「Custom Two」を選んでTopとRangeを同じ値に設定し、その下のスクリプトエディターに「return (R11値)*Gain」と書いて実行すればこのような直読のグラフが描ける事に気づいた。 現在インピーダンス曲線の縦軸はリニアだが、このY軸を対数目盛りにする事が 出来ないか悩んでる、誰か知ってたら教えて〜
ちなみにDayton 社のwebページにあるデー ターシートに同じデータが載っているが測定結果と見事に一致している、このユニットに限って言えば品質管理は良好のようだ。

コストパフォーマンスに優れると評価が高いリングドームラジエータ式のツイターを2wayシステム で採用する予定で購入したので測定してみました。

周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用、10mA定電流駆動で測定)


fsは840Hzとツイターとしてはかなり低くて結構低い周波数から使えそうです、リングという振 動板の特性から指向性はシャープで真正面で聴かないと干渉によるコムフィルター効果で特性のうねりが増大しそうな予感がします。


同社のND105-04のfsがある日突然に55Hzから78.7Hzに仕様変更されてたのに気づ かずエンクロージャー作ってしまって焦った記憶がまだ消えないうちに、懲りずに「今度こそ大丈夫だろう?」と新製品であるCF120-04を個人輸入してみま した。

ダイキャストのフレームにカーボンの振動板と期待できそうな外観ではあるが・・・
周波数ーインピーダンス特性 (R11=100Ω使用、10mA定電流駆動で測定)


6時間エージングした後で測定したが、何とカタログスペックの53.7Hzに対して、実測67.4Hzと25%もズレている!
相変わらずいい加減なデータシートに困惑してしまった、4個測定してみたが偏差2%以下に収まっているので製造上の品質管理は良好にされているようだが、あま りにデタラメな仕様を公開している同社の姿勢には不信感が拭えない。


Misc.

いつも、飲んでる浄水器の水を機材にこぼしてしまったらショートしそうと思い測定

食洗機で洗ったばかりのガラス製のコップに浄水器の水を入れ、電極としてステンレス製のスプーンとフォークを使って測定(笑)

周波数-インピーダンス特性 (R11=10Ω、100mA定電流駆動で測定)

思ってたのよりインピーダンス低かった、こりゃ壊れる訳だ・・・、高周波域に成ると容量性になってインピーダンスが上昇してくるのが意外!
でもなぜか測定電流が小さいと超フラットな特性なのでした。 ひょつとして、これって100mAの時に高周波では電気分解が起きてるってこと? 
周波数-インピーダンス特性 (R11=100Ω、10mA定電流駆動で測定)

この特性だけ見るとパワーアンプの水冷?ダミーロードに使えそうですが、電流を増やすとインピーダンスが下がったのでダメですね、ちなみに100mAも流すと 8〜9kHzで水から音が聞こえてきます(笑)


AC Coupled Measurements

まずは電源の測定の事前チェックとして1Ωのセメント抵抗を測定、カップリングCの容量が100uF前後と回路図より大幅に少ないので有効な測定範囲は 200Hz〜10kHz程 度で、その外は参考程度。
(Dec. 19th, 2011追記)

Batteries

残念ながらCで直流をカットするのでDCでのインピーダンスは測れませんが、大事なAnalog Discoveryを壊さないためにはDCカット機能は必要です。 端子電圧を測るC2の測定系は見方によっては一応ケルビンプローブ的な接続なのでCのカッ トオフ周波数以上の周波数であ れば挿入し たコ ンデンサーCのESR値以上のインピーダンス測定であれば思いのほか正確に測定できます。 普通そう簡単には測れない電源や乾電池のインピーダンス特性を測定することで、 「この電池は 音がいい!」とか言われてる理由が何なのか解るかもしれ ません(謎)

・・・という事で、実際に測定してみました。



ケルビン接続のため値が低そうに見えますが100Hz以下の値は意味がない値なので無視してください、1kHz付近で見て見ると内部インピーダンスは 1Ω以下と低いのでまだ十分使えそうです。




低域側にかけて急にインピーダンスが上昇しています、これはアルカリ電池に共通にみられる傾向ですが、この辺りの内部抵抗の周波数特性が電池による音質の違い に繋がっているのかもしれませんね。 大容量の電源デカップリングコンデンサーの有無で音質に大きな違いが出そうな感じです。


充電済み状態の特性

インピーダンスが0.4Ωと低く、インピーダンスが全帯域に渡りフラットでいい電池ですね、想像するに音にも良さげです。

少々使い込んでて、すぐ空になってしまうのでそろそろ寿命っぽい個体の特性 (充電済みの状態)

なんと内部抵抗が8Ωに上昇しています、すでに大電流を流す事ができない程にまで劣化が進んでいるようなので、これではもう廃棄するしかなそうで すね。


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