I2 S Signal Monitor Board Page
Introduction
DSPボードやフルデジタルアンプを使ってシステムを構築していると、ADCの入力レベルや
最終的にDACに出力している信号をI2S形式でやり取りすることになるが、I2Sのダイナミックレンジを有効に活用しているのかが気になる事がある、また
DSP処理 の前後ではレベルが変わる部分も出てくる、そんな時は観たいポイントからI2 Sヘッダーに出力し、オシロスコープやロジッ
クアナライザーで最低限のLRCKとDATAの線だけを繋いでチェックするのだが、これら機材が場所を取るしセッテイングするのもそれなりに時間が掛かるの
で、
つい億劫になり省略するとレベルオーバーになってしまっていたり逆にヘッドルームを余らせすぎていてS/Nを損してたりすることも多々あった、簡易的でもいいから
DSPのファームをいじっている間だけでなく常時レベルチェックができるものが欲しいと思う事も多くなってきたので、簡易的ながらI2 S
バスを流れるシグナルレベルをチェックできる基板を作成してみた。
Design Concept
I2 Sバスを流れるデーターは2の補数形式でLRCKのエッジから
1BCLKクロック分遅れて
MSBファーストで送出されている、オシロでこの波形を眺めた事がある人なら信号の強弱に従って右から左へとデータ信号が変化している部分が伸びてい
くのに気づいた事だと思います、しかし現実のアナログ信号の約半分はマイナス側なのでMSBが立ってしまうために波形が上下に重なってしまうのでダブって見え
るのでいまいちクリアにその様子を見ることはできません。 当然このビット列のままLEDを点灯させてもチラチラするだけで信号レベルを読むのは困難です。
もし厳密にレ
ベル表示をやれとなると負の領域のデータはビットを反転し1を加算しなくてはなりせんし、ピーク値をホールドするとか、2乗してから一定区間を足した値のルー
トを計算してRMS値にするとかこれだけでDSPが必要な大事となってしまいます、I2Sインタフェースを搭載したPICで読み取って演算させるというアイ
ディアも考えましたが、入力ゲインのセットとかであっても録音の時のように厳密にチェックする必要はないので簡易的に6dB刻みで判る程度で十分と割り切って
最小限の規模と部品でレベルバーLED的な動作をする回路を考えてみました、CPLDとかFPGAを使う程でもないので標準のロジックICとドライブのための
ディスリートのMOSFETで作りました。 途中でMSBの値を保持させておき負の値を+1する処理は省略してビット反転だけして表示させる妥協案も考えまし
たが結 構部品が増える割には見た目の差
が少なかったので潔く割り切り、思い切り回路を簡単にするため波形のプラス側だけを取り出して表示するようになっています。ちなみに今回は6ポイントの
LEDで-36dBFSまでの表示ですが、あと一個LV595を追加すれば合計で14ポイントとなり-84dBまで拡大できるのでレコード再生やテープの残留
ノイズのレベルまで読めるようにすることも可能です
。I2S系式はデジタルオーディオの世界では広く使われていますので汎用的に使えるようにと3.3V〜15Vの広い電源電圧範囲で使えるようにしました。
Circuit Design
以下に回路図を示します
この回路の動作を解説します、I2S信号データをBCLKの立ち上がりに同期させながらシフ
トレジスターに突っ込んでLRCKのエッジ が来たところでパラレル出力します、このときMSBビットが立っ
ていない(=波形のプラス側の値)ときだけLEDを駆動するようにAO3401を使って信号をゲートしています。しかし、これだけだとLEDが光るのが一瞬でちらつきを
大きく感じるので次段のAO3400のドレインとソース間に10uFのコンデンサーを入れてアナログ的に点灯時間を引き延ばしています。 さらにLEDが棒状
に光るようにするためにD7〜D11のショットキーダイオードを入れることで一番左側で光ったLEDから右(低いレベルの)のLEDが無条件に同時発光するよ
うにしてい
ます。 電源は3.3V時は直結、5V〜15VではAZ1117-3.3を使ったシリーズレギュレーター方式としました。 標準でLチャンネルの信号レベルを
表示しますが、JP3のジャンパーをショートすることでLRCKの極性を反転させてRチャンネルのレベルを表示することもできますので2枚重ねてステレオの簡
易レベル監視メーターとして使用するこ ができます。 JP2は使用する電源電圧に合う方をハンダブリッジ等でショートさせてください。
PCB Design
基板上にSMDのLEDを搭載するデザインと、直径3mmの砲弾型LEDを付けて使うタイプの両方を貼っておきますので自分の用途に合った方を選んでくださ
い。
CR部品は1608サイズで割と小さいので表面実装部品での製作に自信がない方はJLPCBでPCBAされる事をお勧めします。登録初回ならPCBAのクーポ
ンが使えるし、部品も秋葉原とか通販で買うより安くできます。(当方JLPCBの回し者ではありませんが、ありからず・・・)
基板の上面側です。
Top View: (3mm スルーホールLED仕様)
Top View: (3mm SMD LED仕様)
基板の裏面側です。
Bottom View:(3mm スルーホールLED仕様)
基板の外寸図です
Board Dimensions
Design Files
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Version Histories
VERSION
Date
Note
0.11
20th, Feb. 2022
Initial Release
Evaluation
計画中 ・・・・
Test Results
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