FreeDSP SMD A/B PCB Design Page |
その昔、アートワークと称してて感光基板やインスタントレタリングを駆使してマスクした片面生基板 を塩化第二鉄、最近は塩 化鉄Vというのかな? 要はエッチング液で銅箔を溶かした残りでパターンを描き、ドリルで穴を開けて片面プリント基板まで自作していたが、コストもかかるし、銅が溶けた 廃液の処理とかも面倒でここ30年ほど基板作りとは縁遠くなっていた。 そういう訳で趣味ではアートワークも基板を設計するCADにも全く触れることもなく過 ごしてきたが、つい 最近になって、いわゆるMake系の流行のおかげで非常に安価にプリント基板が発注できる時代になってきた。 10cm x 10cmの両面スルーホール基板なら5枚で1200円、10枚で2100円程度(なんと国際便の送料込みで!)作れる時代になったのでもう後戻りなんてできないし、有り余 るPCのCPUパワーを活かせるPC CADのKi-CADでは、なんと無償で自動配線まで使用可能になっていたのであった。 その昔を知る者としては何て恵まれた時代になったものだろうと思うばかりであ る・・・・
という事で、今回のプロジェクトではフリーで使えるKi-CADを駆使して設計を行いました、回路 図エントリーに続けて、プリント基板の設計もKI-CADで始めましたが、なんと便利な事にKi-CADはクロスプロービングに対応しているので回路図の部品 をクリックしては脳内ルー ターをフル稼動しながら部品配置、一通り配置が終わったところでオートルーターを起動して自動配線Go、暫くしてオートルーターが音を上げると「なんでこんな簡単なと こ引けないんだよぉ」とか独り 言いいながら部品配置をイジって再度自動配線Goなんて事をしばらく繰り返し、最終的にはオートルーターが音を上げて引いてく れな かったネットが26本!、この規 模の基板ながらマニュアルで引いたのはたったの26本、あとはオートルーターにお任せという「手抜き」、いや違った「文明の利器を最大限に活用して」パターン を引きました。2層しかないのでなるべくベタ面を広く取れるように面がけだけは細かく分割しては何度も塗りなおしを実行して出来上がったのがこのパターンで す。
回路設計のページで回路ブロックの構成や機能について解説しましたが、基板設計では自然な信号の流 れに沿った部品配置、主な接続コネクタの配置や使い勝 手、ノイズ対策やケースへの固定方法なども重要な設計ポイントとなります。 部品配置に際して音声信号入出力端子は基板の同じ側に集約しました。 敢えて上下2段のピン ジャック端 子を使わな かったのは、同じ基板を2枚重ねで使って2in 4out ステレオ構成にして、基板2枚で4wayのチャンデバに拡張できるようにするためです。 RCAピン端子を横一列に並べたために10cm x 10cmの基板の一辺には全ての端子が収まらないので、残念ながら電源のDCジャックは反対側となってしまいました。基板を裸で使わずに、ケースに入れて電源を内蔵して、 ス イッチやボ リューム 類をフロントパネルへワイヤで飛ばすのであればこのレイアウトでも問題はないものと思います。 横方向には高音質のDACや、高性能なADCの拡張基板を並べ て接続できるようにと考えて拡張コネクターを配置しました。 なるべくGND電位変動や不要なノイズ輻射が少なくなるようにと、細かくブロック分けをして面が けをするように心が けました。 特にオーディオ的に重要と思われるアナログ系のGNDについては、入出力で分離してDSPに搭載されたADCやDACの基準電圧ピンの近くで接続するよう にしました。
前回作成した基板の回路から大きく変わったのはミューティングトランジスタの駆動回路で、GNDよ りもマイナスの 電位を生成するチャージポンプ回路が増えています、これに伴いハイサイドのスイッチング用のP-MOSFETを削除、さらにリセット回路周辺を見直しました。 その 他の変更点としてはRCAピンジジャックの切り欠きの間隔を修正、電源インジケータのLEDを追加した位でメインの回路は全く変更していません。
RCAピンジャックの不具合を修正しミューテイング駆動回路を改良したver. 0.4のKi-CADプロジェ クトファイル一式をArchive形式でZip圧縮したものを以下のリンクに置いておきます。利用に際してはFreeDSPに習いクリエイティブコモンズのライセンス条件 に従ってください。
https://github.com/CyberPit/FreeDSP-FreeDSP_SMD_AB
VERSION | COMMENT(S) |
0.1 | Initial Version (Jan26th,2019 ordered to FusionPCB) |
0.2 | Just for fixing schematic. PCB design is not released |
0.3 | Fixed measure issues. Released on 27th. Mar. 2019 |
0.4 | 2nd version PCB ordered data on 21th. Apr. 2019 (ordered to ELECROW and FusionPCB) |
ver0.1の基板に部品を当ててみてから気がついた、RCAピンジャックの位置規制タブの切り欠 き穴位置を間違 えてしまった〜、間隔が狭すぎて当たってしまい付けられない!
端子のランド設計には問題なかったので横着してタブをカットして付けてしまうか、ミニルー ターで基板を削って加工するかになりそうだが、どうせ最後に付ける部品なので、その瞬間のノリで決めよう・・・・
組み立てに先立って、まずは部品集めとなるが、抵抗はすべて2.0mm x 1.25mmサイズ、小容量のコンデンサーも2.0mm x 1.25mmサイズの表面実装タイプです、音質を気にする向きは150pFと1000pFだけは PanasonicのECHU(フィルルムコンデンサー、千石電商で買える)にしましょう、何せ高誘電タイプのセラミックは聞こえる位に歪みが多いですから ね。 大容量コンデン サーはケミコンにして無難に手に入るサイズにしてみました、部品の大半は秋月電子や千石電商で手に入るものがほとんどだが、DSPはRSコンポーネンツ通販で買えます、一 箇所で全部購入となるとDigikeyやMouserに発注する必要があると思うので、詳しくは部品表を参照してほしい。
発 注済み、現在製造待ちの状態。(25th, Apr. 2019)
Elecrowに発注した分が到着 (28th, Apr. 2019) 今度はRCAジャックの切り欠きもカンペキ!
ver0.3の基板データはまだ組み立て検証する前のデータなので、ミュート機能に不具合があります、あしからず・・・・・