FreeDSP SMD A/B Version 0.1 Board Building up page

A DIY Audio Processor Development Project.


(FreeDSP SMD A/B version 0.1 Board)

Introduction

アマチュアが基板を自作する場合、リード部品をスルーホールに挿入して取り付けるのが一般的 だった が、近年ではこれに使える部品も入手が困難になりつつあるし、特にノイズだらけのデジタルな環境では回路を物理的に小さく作らないと、ノイズを受けるアンテナ と化してしまって性能が出しにくいこともある。そのため近年ではアマチュアの自作でもSMD(表面実装)部品を使う事も多くなってきた。 しかし一般に小 型 大容 量のMLCCコンデンサーは高い誘電率の絶縁材料ゆえの音質の悪さ、具体的には測定できる程の非直線性歪みや、DC電位差を掛けた時の実効的な容量の減少など の問題があるためオーディオの信号が通過する用途には正直使いたくない代物なので、多少値は張ってもPanasonicのECHUやWIMAなどの固体の 積層 フィルムコンデンサーを使いたくなる事も多い、ただし大容量の音声信号のカップリング用途にはSMDのタンタルや有機固体コンデンサーよりも安価で耳に馴染んだ電解コンデ ンサーのほうが、様々な材料とそのサイズや特 性の多様性から音質の違いを生かせるし、まだ多少の選択肢が残されている。 そういう訳で音に直接関係する部分の小容量のコンデンサーは積層フィルム型SMDタイプを、大 容量の 音声カップリング用途にはリードタイプの電解コンデンサーを使用することにした。


Parts Ordering

その昔は、秋葉原に行って1日かけて買い物すれば、ほぼ必要な部品を全て購入することができた が、 変貌してしまった現在ではフィギュアは買えても、電子パーツは買えない状況となってしまいつつある。 続々と昔からの店舗が次々に廃業や閉店していく中で、貴重な存 在である秋月電子、千石通商、若松通商、マルツ商会などを周れば何とか手に入るものから部品をチョイスしている、店頭に無ければChipe-One Stop、RSコンポーネンツで通販、それでもダメならDigiKeyやMouser、AVnetに発注する事になる。 先日、中国の深センにある電気街に行く機会があっ たのだが、まるで80年代の秋葉原のように殆ど何でもパーツが店頭で揃うというのは実に魅力的だった。 Ki-CADのアーカイブ内にある部品表には、で きる だけ国内と海外の入手先リンクを調べて貼っておいたので参考にしてほしい。 SMD抵抗はすべて2.0mm x 1.25mmサイズ、小容量のSMDコンデンサーも2.0mm x 1.25mmサイズの表面実装タイプです、音質を気にする向きは150pFと1000pFだけは PanasonicのECHU(フィルムコンデンサー)にしましょう、ECHUコンは特に熱に弱いのでハンダ付けの際は注意下さい。大容量コンデン サーはリードタイプのケミコンにして無難に手に入る大サイズにしてみました、もちろん耐圧さえ満たせばOSコンや有機個体コンでも構いません。使用部品の大半は秋月電子や 千石電商で手に入るものばかりですが、DSPのICは 普通に 店頭では売ってないので1個から買えるRSコンポーネンツで通販するか、ADI代理店を探すか、DigikeyやMouserに発注する必要があると思います、このDSP には車載用のバージョンとしてADAU1401Aというピンコンパチな動作温度拡大製品もあるので、何れかで安く手に入るもので構いません。詳しくは部 品表を参照してほしいと思います。 数量にもよりますがフル実装の場合でも部品代は基板別で4千円前後かと思われます。AliExparessで2千円程 度で売ってるADAU1401/ADAU1701 Learning Boardではミュート機能もないし、何よりオーデォ用途で実用するには心元ないし、本家で売ってるADI謹製の Evaluation Boardは葯3万円もしてシンンプルな割に高価なので気軽に組み込んでしまう訳には行きませんが、自分で作ったこのボードならば、高価なインダクターやフィルムコンデン サーを使ってネットワークを自作 するよりも結果的に安く高精度で高性能なマルチウェイなシステムを気軽に組み込んで使用することができそうです、特にディレイが使えてタイムアライメント を追い込めるのはアナログとは決定的に違う利点ですね。 3ウェイ以上のシステムを構築する予定の方は外部にI2Sで受けられるDAC基板を用意する方法 もありますが、この基板を2枚まとめて制作される事をお勧めします、こうすることで各基板が完全に分離したモノ構成となるので2系統入力の4wayチャン デバとして使うことが可能になるうえに左右間のクロストークが完全に避けられるからです。

なお、外部DACやADCなどの基板と接続しない場合には不要になるパーツが多数あるので無用 な出費を抑えるためにも該 当する際には部品表をよくチェックしてほしい。


Board Ordering (Version 0.1)

1月後半に中国のSeeed (Fusion PCB)に発注したのだが、旧正月をはさんでしまったために一ヶ月以上かかってしまったが、3月に入ってから何とか無事に納品された。鮮やかな赤色なので一目で要注意な試 作と判別できる(笑)、それにしても なんせ送料を含めて板5枚で 1200 円なのだから、少々のお休み程度では文句は言えない。


Board Build Up (Version 0.1)

深センのFusionPCBから届いた基板ver 0.1 がコレ

両面スルホール基板です。

まずは背の低い部品から取り付けます、ハンダ付けに失敗した時には調理用ホットプレートに 載っ け てハンダを溶かして剥がせるように失敗リスクの高い狭ピッチのICから先に取り付けました。
このようなデリケートな部品の取り付けには様々な流儀がありますが、私の場合は基板にフ ラック スを塗ってから位置決めをしたら、極細糸半田と幅広ハンダコテで一気にハンダを流し、もし余ったりブリッジしてしまった箇所があればSolder Wick(吸い取りアミ線)で除去しています。 極端に細いコテでピン一本づづ付けていく方法もありますが、時々加熱が足りなくて随分と経ってから接触不 良が起きたりする 事も多かったので現在はこのような方法でやっています。

実装と不具合対策を検討中のver0.1ボード



Fixing PCB / Circuit Design Issues

Design Issue (version 0.1)

Workaround-1 (for version 0.1 Board)

設計時のミスで残念ながら少し修正改造しないとミュート回路が全く解除動作しません。 以 下にver0.1基板で の ミュート回路の不具合対策方法の一例を示します。 この他の部品はその まま普通に基板にマウントすれば大丈夫です。(ver0.4 以降の 基板では この改造は不要です。)

これで一応ミュート動作はするものの、ゼロバイアスのミューテイングトランジスタの非直 線性の ために、細かく観てみると歪み特性があまり良くないので別の対策を講じることにしました。


Workaround-2 (Finally Applied to Version 0.1 Board)

ゼロバイアスのミュート回路は解除時の歪率が0.1%前後と良くないので、負 電源を用意しミュート解除時には抵抗でミューテイングトランジスタ のベースを負電源に引っ張る改造を追加するのが望ましいという結論に達しました、ver0.1の基板は外部から負電源を引いてくるか、以下の画像のように緑色のチャージポ ンプ回路と抵抗を 追加するか、いっそver0.4以降の基板のミュート駆動回路どうりに改 造してしまうことで他の部分はそのままで使用可能でした 。 RCA端子の切り欠き、ミュート回路以外に改造が必要な箇所はありません。





Crystal Frequency Limitation Issue

        さて、スルー動作もできたところで、いよいよDSP処理をやってみるか・・・、と思って簡単なブロックを選んで配置したらノイズ混じりにしか動作しない、あっそうだPLL の設定がデフォルトで256fsだったかかな? なんて思い出してレジスタのアドレス2076Hを書き換えてみてもノイズの周期と設定したフィルター のターン オーバ周波数が変化するだけでノイズが止まらない、いよいよお手上げだと諦めてネットで検索すると、なんとADAU1701は「外部からクロックを供給すると きだけPLLがDSPコアにも効く、DSPのクロックに関係するクリスタルの発振回路とオーディオ系のPLLの回路は別モノだからネ」という重 要な制約があるという事をQ&Aしているページを発見!なんて事だ〜!、データシートには25MHzまでのクリスタルが使えると ハッキリ 書いてあるのに! 実用できるのは256fsに相当する12.288MHzの水晶 だけだと!  しれっと言うな〜! と、相当に取り乱した所で12.288MHzの水晶を入手できるまで暫くDSP動作はおあずけ状態となってしまった・・・・ (憤死)

アナログ入出力しか使 わない場合は適当に12.8MHzなどの近い周波数のものを探してくれば代 用できます、当 然ですがこの場合はカットオフ周波数や時定数設定時に補正しないと フィルター等のターンオーバー周波数は相対的 にズレてしまいま す。




いまのところボード単品であれば特に問題なく使えていますが、細かく観ていくと私 が気づいていない 不具合がまだ残っている可能性はありますので、そのときはこっそりと教えてやってください・・・・・

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