Example: 4-Channel Stereo (Quadraphonic Sound) Decoder |
1970年代に流行した「4チャンネルステレオ」は既存のステレオのインフラを踏襲しながらも立体
的な音響効果を得るために各社各様の様々な方式が考案されたが、乱立しすぎた上にコンテンツが圧倒的に足りてなかった状況はユーザー不在の競争でもあった、そ
の結果1970年台が終わる頃には完全に死に絶えたと言っていいだろう。 ギミックを重視するあまり音楽的な安定感を無視した音作りや特異な音像定位なコンテ
ンツが非常に多かった記憶があるが、現代のサラウンドにも通じるホールの響きが楽しめるまともな録音も僅かながら存在した。さすがにいまさら当時のデコーダー
をアナログ回路で再現するのは現実的でないし、手間と比べて現在も手に入るコンテンツの量を考えると、あまりに過剰な投資であり得ない事だと考えていたが、ふ
と手元にあるFreeDSP SMD A/B基板を見つめると2 in 4
outおまけにDSP搭載でファームさえ作ればいとも簡単にデコーダーが実装できそうな事に気がついたのであった・・・
Input0/Input1から入力したステレオ信号を4つの出力に分離して出力するシステムであ るが、ひとつだけの標準という方式は存在せず、かといって片っ端から作る訳にも行かないので、たまたま手に入ったコンテンツの方式に対応したものを順に開発し ていくという事になると思うが、ネットを徘徊してデコーダーの処理内容の情報が判るページを見つけた。
https://midimagic.sgc-hosting.com/quadrafon.htm
https://midimagic.sgc-hosting.com/quadindx.htm
https://midimagic.sgc-hosting.com/quadmath.htm
呆れる程の方式があったのだと知った
INPUT | DSP INPUT | OUTPUT |
COMMENT |
INPUT0 (L) | Input1_1 |
Output-0 |
Front Left Channel |
Output-2 |
Left Back Channel | ||
INPUT1 (R) |
Input1_0 |
Output-1 |
Front Right Channel |
Output-3 | Right Back Channel |
ネットで拾ったデコーダーマトリックスの式は以下のようなもの(jは90度の位相シフトを意味す る)
なんとわずか10分ほどで出来てしまった、ハードで作ったらどれほど時間が掛かることやら・・・
確か全部モノに混ぜると伝達関数=1になると聞いた記憶があったが、デコードを数式で表すとこうなるそうだ・・・ (jは90度の位相シフトを意味す る)
これは移送器を使わない単純な位相反転とミックスだけの方式、リバーブ等の逆相成分を含む音なら確 かにリア側から聴こえやすそうだが、フロントは鳴りっぱなしだし、この程度の処理では後ろSPへの定位なんてできそうな気がしない・・・・
1971年に発表された方式、これもStereo-4とはミックスするバランスが多少違う程度で、 殆ど似たようなアルゴリズムで はある・・・・
1970年に発表されたパッシブ式の、いわゆる「スピーカーマトリックス」と呼ばれていた配線だけ で楽しめる4チャンネルオーディオの入り口だったともいえる方式のひとつであるが、これは野球のようなダイアモンド配置でピッチャーの位置での聴取を想定した もので1・3塁側のL・Rは通常のステレオのまま、バッター位置のフロントセンターはモノミックスで中央に定位する、2塁側となるサラウンドバックからは逆相 成分の音量を少し落として鳴らすというものなのでリバーブや反射音の回り込み成分などが強調されて聞こえる、逆にセンター定位のボーカルなどの音は逆相となる ためにサラウンドバックではキャンセルされる。 この方式のリアサラウンドの音にディレイを追加してリア側のスピーカーを2本にしたのが有名なDolby Surround方式である。
この方式をクレジットされているメディアは見たことないけど、式が載ってたのの一応作ってみた
書いてはみたものの、こうしてみると結構複雑ですね・・・・、このくらいになるとトレースするのも 大変になってくるのでGUIより式で書けるほうが楽なのかも?
適当に読み漁った自己流なので正しいインプリではない可能性があります、もし間違っていたらあしからず・・・・・