Balanced XLR Output Driver Board Page

 



Introduction

FreeDSP_Catamaranの基板サイズと設計コンセプトからXLRバランス出力を装 備することは叶わなかったが、「どうしてもXLR端子を付けたい!」と強くリクエストを貰ったのでオプションで4系統のXLRバランス出力基板を設計してみ た。 安直にTIのDRVシリーズの石を使ってしまえばミュート機能も付いてて実に簡単なのだが、電源を3.3Vに落とす必要があることと、何よりもオーディ オ性能にその石での限界を感じたので新たにOPA1632を使ったバランス出力で、片電源動作、電子式ミュート機能つき、FreeDSP_Catamaran とはコネクター3個で簡単に接続できるという点が本基板の特徴である。



Design Concept

 もともとはFreeDSP Catamaran A/Bのオプション基板として設計したので接続コネクター3個の最小限の接続となっているが、ミュート制御信号さえ自前で用意できればFreeDSP Catamaran A/Bに限らず他の基板でも問題なく流用できるものにしたいと考えた。
 単にバランス出力装備といっても、単に反転アンプをシリーズに追加しただけの出力を持つ製品 も多くそれらは受信側でアンバランス接続をしてしまうと信号レベルが半分になってしまうし、さらに片方の出力がGNDにショートされてしまうので過大に電流が 流れて悪影響が出てしまうものも多い、例えばFocusriteのScarlet シリーズのTRSバランス出力もそのような構成でモノラルのフォーンプラグを挿してコールド側をショートすると大幅に歪みが増えてしまうという問題がある。本来のトランス を使ったバランス出力回路の動作とはホットとコールドの端子間の電圧は一定であり受け側でコールド側をGNDに落としても電位差は変わらないものである。 
 そこで私が採用したキーとなるデバイスは完全バランス構成のTI製OPA1632、これは FreeDSP Catamaran A/BのADC前段でも使ったがスペックを見る限りかなり良さげな石で、低いインピーダンスにも対応できそうで、出力バッファーという目的に合致していると思ったので採用 した。 本回路ではこの石を使って電子式トランスレスバランス出力回路を構成している。



Circuit Design

 ver0.11 Schematic

入力回路は一応バランス構成なのだが、接続端子の関係で不平衡入力にしてあるが電源のグランドと電位が異なっても影響を受けないディファレンシャル入力と なっている。そもそも片電源動作だし汎用性を持たせるためにもコンデンサーを介したACカップリングとなっている。

以下に回路図を示します


ver 0.11 Schematic Circuit Diagram -> BalancedDriverBoard_Schematic_0v11.pdf

この回路のポイントとしては片電源動作を実現するための仮想グランドとなる中点電位を作るのに、ノイズが多いツェナーダイオードを避けてLEDの順方向 電圧から生成した基準電圧を用いている、さらにこれをOPA1611を使い時定数を違えた2段のLPFを通すことでオーディオ帯域に含まれるノイズを低減 した信号が基準電源となるようにしている。

入力側の回路的にはバランス入力回路だが、接続する信号ソースが不平衡出力なのでアンバランス接続にしている。出力側はコールド側をGNDに落としてア ンバランス接続をされた場合、正確な出力電圧にするにはコンデンサーとシリーズに繋がっている抵抗の後ろ側からフィードバックを掛けるようにする必要があ るが、ミュートの効きが弱くなるのと、負荷変動の影響を受けにくくするという意図もあって敢えてこのような接続とした。

ミュートを起動するためにはJ7のpin2を電源のプラス側に接続しQ5〜Q8のトランジスタをオンする必要があります、ミュート解除するには多くの電 流は必要ありませんが同ピンを-3V以下の負電位にプルダウンして歪ま ないようにする必要があります。

本機の出力回路ではJ8〜J11のGND-LIFTのジャンパーピンを抜くことでXLRコネクターの1番ピンをGNDから22Ωの抵抗で浮かすことを可 能にしていま す。



PCB Design

今回もki-CADを使用しJLPCBでPCBAするという前提で基板設計を行いました、OPA1632とOPA1611がPCBAで使えるのは嬉しいです ね。
入力のカップリングコンデンサーは2mmピッチと5mmピッチの両方に対応していますので、お 好みのものがお使えます。個人的にはMKHとかの方が好みです。

基板の上面側です。

Top View:


基板の裏面側です。
Bottom View:

GNDリフトしたい場合には、J8/J9/J10/J11を解放にすることでフローティングに なります。通常はショートしておきますが、必要度に応じてジャンパーピンの代わりにグランドリフトスイッチを外付けするのも一案でしょう。

Design Files

Git-Hub https://github.com/freeDSP/FreeDSP_Catamaran_AB(← 最新の設計ファイル類はこちらからクローンしてください)


Version Histories

VERSION Date Note
0.11 15th, Jan. 2022 Initial Release











Evaluation

計画中・・・・



Test Results





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