TRIPLE PCM5102 DAC BOARD PROJECT |
FreeDSP SMD A/B ボードの設計はver0.4でほぼ完成となり、12名ほどの方に製作にチャレンジして頂いたが、やはりチャンデバに使いたいという方が多かった。DIYのコミュニティでは SPシステムを自作された方の作品を拝見する機会も多いが、殆どが2wayどまりで、3wayのスピーカーを自作されている例はめったに見かけない。 FreeDSP SMD A/B ボードをお披露目したときも3wayで使いたいという声が意外に多かった。 確かに考えてみれば3wayになるとパッシブのネットワークでは作るのも結構大変だし、何より SPユニットのインピーダンス特性を考慮して設計したとしても調整する箇所が増えるので、相当な交換用の部品を用意して臨まないとキチンと特性を追い込む事が できないし、2次程度の次数の低いフィルターだとSPユニットどうしの干渉が大きいのでSPユニット間の時間的なアライメントを物理的な構造で揃えるとなれ ば、それは何度も作り直して確認しないとならないし、形状が変われば回折による特性も変化するので、余程の執念でもなければベストの状態に持っていくことがで きず、メーカー製を超えるような音が出せるシステムに到達するのはかなり難しいと思われる。 しかし、デジタルのチャンデバであれば鋭いスロープでカットする ことでユニット間の干渉は殆ど問題にならなくなるし、ディレイを可変することができるためSPユニットの取り付け位置の自由度も格段にアップするので、ウー ハー、ミッドレンジ、ツイターを単一のバッフルに単に並べただけでも時間的なアライメントを信号処理側で合わせてやる事が可能となる。 という事で ADAU1701/1401チップには4ch分のDACしか搭載していないためこれだけでは2wayステレオが限界だが、I2Sバスを外部に拡張することで3 系統(=6ch)の出力を増やすことができる。 このような4〜 7ドルで購入できる基板を買って最小限の足りないチャンネル数だけ外部に拡張するという合理的な考え方もあるが、音色が揃わないと使いづらいので 拡張用として同じDACチップを3個搭載した基板を作成することにした。
オーディオ用だけでも世の中には呆れるほど多種多様なチップが存在するが、FreeDSP SMD A/Bボードに釣り合う程度のコストで実用になる性能を有するDACとしてPCM5102、もしくは鳴ればいいという向きにはPCM5100A(ピンコンパチ ブル)を使ったごく簡単な6chのDACボードにしようと思う。 ADAU1701/1401はTDM形式のシリアルデータも送出できるが、ここでは一般的な I6S (BCLK、LRCK を共用してDATA線だけ3本独立したI2S拡張BUS)での接続で拡張することにする。