2-way Crossover Dividing Network Embedded Amplifier Project |
早速、組み上がったver0.1ボードをすぐ評価テストできるようにTPA3116D2アンプ基板と共にシャー シに組み込んでみました、ボード間の接続には標準のコネクター類をそのまま使っているので、簡単に新しいボードと交換できます。
公称100W×2の2chアンプ基板を2枚搭載しているので、これで2wayスピーカーをマル チでステレオ駆動できます。緑色の基板はDC24VからDC12Vへ落とすDC-DCコンバーター基板です。 ちなみにTPA3116D2アンプ基板はボ リューム中間位置での残留ノイズを低減するために入力部にバッファアンプを追加する改造、ミュート駆動回路の追加、スイッチング周波数の1.2MHz化、アンプ入力カップ リングコンデンサーをMLCCから積層フィルムコンデンサーに交換するなどの改造をしています。
Input0/1から入力した信号を帯域分割し、左右独立ch各2台のパワー・アンプ
(TPA3116D2 P-BTL駆動)にてドライブする。AUX_ADC0を使ってマスターボリューム機能を実装します。
INPUT | DSP INPUT | OUTPUT |
COMMENT |
|
Input1_1 |
Output-0 |
Woofer Left
Channel、AUX_ADC0に比例して音量が変化するのでRV3の追加が必要 |
Output-2 |
Tweeter Left Channel、AUX_ADC0に比例して音量が変化するのでRV3の追加が必要 | ||
INPUT1 (R)
|
Input1_0 |
Output-1 |
Woofer Right Channel、AUX_ADC0に比例して音量が変化する のでRV3の追加が必要 |
Output-3 | Tweeter Right Channel、 AUX_ADC0 に比例して音量が変化する のでRV3の追加が必要 | ||
Control Voltage | ADC_0 | - | For Master Volume Control (3.0V Full Scale) |
MP9の電圧でマスターボリュームを制御しているため、基板上にRV3を実装するか、ヘッダーJI に下図のようにBカーブのボリュームを接続しないと音量を絞りきった状態になるために音が出ないので注意されたし。(ボリュームは10kΩ程度のBカーブのも のを使用します)
バッフルステップ補正は補正が必要になる周波数や傾きがエンクロージャーの幅や形状によって違って くるが、その ときのクロスオーバー周波数によっては可能な処理方法が異なってくる、例えばエンクロージャーの幅が狭くてバッフル効果による音圧上昇がなくなって音圧が落ち始める周波数 が クロス周波数と丁度同じであればツイターの ゲイン調整だけででも十分に補正ができる場合もあるし、どちらか片方のドライバーが受け持つ帯域だけで補正が完結する場合もあるし、両者に跨って補正が必要になる場 合もあり、一律にどのやり方が正解とは言えないと思うが、一般にはシェルビングのEQを使って、ある周波数から下側を最大で約6dBほど相対的にブースト (実際には高域側を減衰させる)ことで中域に生じる大陸棚的な周波数特性に段差があるのを補正する。矩形のエンクロー ジャーであれば、この効果をシミュレーションできるアプリとしてTolvan DataのThe Edgeというソフトを実行して、一度どのようなものなのか感じを掌握される事を勧める。 今回のデザインでは汎用性を重視して帯域分割前にバッ フルステップ補正機能を入れた、補正回路の実態は次のような2次のシェルビング型EQである。
補正量を−6dB(最大)に設定したときのバッフルステップ補正回路だけの実測の周波数特性は以下 のよう なもの
FIRでないフイルター回路ではHPFとLPFでは異なる群遅延特性を持つために、一般にツイター をウーハーよりもリスナーから遠ざけることで、ウーハー側が遅れる群遅延特性の差を補正し両者の繋がりを滑らかにする事も多いが、同時にこれはツイターが奥 まってしまうことになるで周囲形状の影響を受けやすい事にもなりやすい。またウーハーはその円錐型のコーン紙の奥にボイスコイルがある関係上、周波数によって 音源位置が変化するという厄介な問題もある。そこでデジタル処理の得意技のディレイを掛けることでSPユニットは面一の配置でも構わないようにできる。 しか し様々な 制約から適切な遅延量を決める事は意外と難しいと思われますので、インパルス応答やクロス周波数での単発サイン波、ノイズ等、もしくはウェーブレット解析など を駆使して特性を確認しながら最終的なセッテイングを探っていってほしい。
通常の用途であれば48kHzサンプリングでも十分なパフォーマンスを得られると思いますが、 DSPやコーデックの余力を余らせておくのも勿体無いし、何より大きな違いとしてツイターに掛けるディレイのステップが1/4になるので、192kHzサンプ リングでは約1.7mmステップで仮想的なツイターの位置を移動できるという魅力があるので作ってみました、以下に両者の周波数特性を示しますが可聴帯域内の 特定は全く同じですが高域端の伸びが違います、192kHzではDSPが実行可能なステップ数が1/4に減るので、レベルモニターなど無駄なエレメントを削っ て実装しなくてはなりませんでした。
(fs=48kHzの入出力特性)
(fs=192kHzの入出力特性)