DSP PRE-AMPLIFIER: Schematic Design

A DIY DSP Pre-Amplifier Development Project

Design Concept

プリアンプとして使ううえで、対応するソースは多いほど良いだろうと考えて可能な限り基板に載せられるだけ載せてみようと思いました。 そこで対応できそう なソースについて列挙すると、以下のようになります。

  1. アナログRCAピン端子 (ラインレベル)
  2. アナログRCAピン端子 (RIAAフォノ入力)
  3. S/PDIFデジタル入出力
  4. USB Audio
  5. Bluetooth
  6. NetRadio
  7. AirPlay Audio
  8. USB FLASH Thumb
  9. NAS Music Library

理想的にはこれら全てに対応したいところですが、安価に基板を作れる10cm × 10cmのサイズで載せられるだけ載せようという目標を立ててプロジェクトを開始しました。上記1については旧世代のアナログオーディオ機器との接続用と割り切って簡易的 なADC(といっても一応24bit/96kHzです)を本基板上に搭載します。上記2については中途半端なものは作りたくないので今後開発予定の増設基板と いう形態で考えています。上記3についてはADAU1466/1452が持っているSPDIFレシーバーを活用します。上記4についてはPC上の安定したドラ イバーが提供されているUSB-Audio I/Fを採用することで互換性の問題を回避しながら安価で使い勝手のよいソリューションを探します。上記5〜9についてはVolmio系プレイヤーをRaspberry- Piに搭載することで、これらほぼ全て実現できる見込みです。

まずは搭載する機能モジュールを決めてしまわないと具体的な設計が始められないので、知り合いやネットをリサーチして以下のアイテムをリストアップしまし た。

FUNCTION
MODEL
COMMENT
DSP Core Module
MusicWorks MW-ADAU1466 or MW-ADAU1452
Music Works製のMW-ADAU1466を採用
同基版の回路図→MW-ADAU1466_Schematic
ピ ンコンパチのMW-ADAU1452カード/1466いずれでも使用可能と思われます(未検証)
Network/CPU Module
Raspberry-Pi 2/3/4 B+

金属ケースで覆う場合はRP2+WiFiドングルの方がいいかも?
USB Audio I/F Amaneo Combo384
AliExpressで互換品を手配しました
Link to Combo384_USB to I2S DSD Converter DataSheet
USB Audio I/F

xMOS社のXU208を使用した相当品?
CPLD付きと無しの2種類があるようです 
いずれもピン互換で使えるかどうかは不明。
USB Audio I/F >


FireStoneAudio社のBRAVOチップを使用した相当品? 
ピン互換で使えるかどうかは不明。
Vinyl (Phono) I/F 構想中
 
詳細不詳

ローノイズFlat-Ampを搭載した高性能192kHzサンプリングADCカードでRIAA-EQの処理はDSP側で行う、接続方法はI2S バス。



Schematic Design

回路と基板の設計には、最近だいぶ使い込んで手に馴染んできたki-CADを使用します。ADC回 路と電源回路以外はほぼデジタル回路なので自動配線を駆使して設計します。

ADAU1466/1452には4系統の入力と出力のI2Sバスがあります。そこで基板のレイアウ トから以下のようにアサインすることにしました。

DSP I/O Configuration

BUS
SOURCE
I2S Input-0 PCM1808 24bit / 96kHz ADC for Analog Input Source
I2S Input-1 AUX I2S Input (Reserved for Phono-ADC Board Input)
I2S Input-2 Amaneo Combo-384 for USB-Audio Input
I2S Input-3 Rapsberry-Pi I2S Audio Input
I2S Output-0 External TDM/I2S DAC-0 Output (with Enable Control)
I2S Output-1 External TDM/I2S DAC-1 Output (with Enable Control)
I2S Output-2 External TDM/I2S DAC-2 Output (with Enable Control)
I2S Output-3 External TDM/I2S DAC-3 Output (with Enable Control)

さらにS/PDIFのトランスミッターとレシーバーがあるので

BUS DEVICE
S/PDIF Input TOSLINK Optical Input
S/PDIF Output TOSLINK Optical Output

また、SigmaStudioにはIP経由でUSBiと同じ動作をすることができるオプションがあ るので、これを活用してネット越しにDSPのコンフィグレーションをすることができるようにします。これによりラスパイのSPIポートを経由してDSPにアク セスすることで、直接USBiを接続しなくても同じことが出来るのでステーショナリーなオーディオ機器的に使う場合に、いちいち蓋を開けてUSBiを接続する 必要もなくなり、オーディオコンポーネント機器的に使うには極めて使い勝手がよくなりそうです。

Raspberry-Pi Configuration

ITEM
CONNECTION
SPI
for USBi over IP
I2C
Unused
GPIO3
Connect to GND for begin reboot after the shutdown
GPIO4
IR Receiver Input
GPIO17
Optional  for MUTE
GPIO23
User Push Button-1 (Push to L)
GPIO24
User Push Button-2 (Push to L)
GPIO27
IR Transmitter Output

Schematic Circuit Diagram ver0.21 (1of2)

1ページ目の回路を解説します、左上から電源の入力で車載時に使用するスクリュー端子(別名 ユーロターミナル)と一般的な外形5.5φ、ピン径2.1mmのセンター側+のACアダプターの何れかを接続するようになっています。ノイズ対策のコモンモー ドチョークを通った電源はLMC555というタイマーICを駆動して電源オンになってから約4秒遅れて電源が入るようになっています、これは車載した場合セル モーターを回すとクランキング動作で大電流が流れバッテリーの電圧がドロップしリセットすることでラズパイが起動途中に電源が遮断されてしまう障害を回避する ための機能です。 逆にスイッチをオフした場合にはシャットダウン動作が完了するまでの間の約40秒間電源を供給し続けるようになっています。 IC1はラズ パイ用の+5V電源を生成するSMPSで最新のRaspberry-pi4でも大丈夫なように供給電流3Aのものを採用しています。このICはスイッチング周 波数が極めて高いので3.3uHの非常に小型のインダクターでも大丈夫なのですが、相当品を使う場合は定格と飽和電流値に余裕があるものを選んでください。  U3はオーディオADCのためのアナログ電源用シリーズレギュレーターです。U5で構成される+3.3V電源についてはさほど大きな電流は流れないので同じタ イプのシリーズレギュレーターにしました。ノイズ低減のためQ5でラズパイの電源を完全に切ることもできるようにしていますが、途中からライズパイに電源を入 れた場合でも不用意に電源を落としてしまわないようにメインの電源を落とすまではラズパイの電源が切れないようになっています。ラズパイ電源の供給状況はD3 が赤色に点灯することで把握できます。(ラズパイを落とした状態では青色点灯) Q2,Q4,Q9はオーディオ信号のミュート動作用の電圧を生成する回路で DAC用の出力ヘッダーにミュート解除時にHになる制御信号を出力します。ラズパイのGPIO22をHにすることで任意のタイミングでミュートを掛けることも できるようになっています。 J4はラズパイのデバッグ作業用にFTDI 社製のUSB-UART変換ケーブル(3.3V仕様)を接続して有線でコンソールを開くためのもので す。 追加機能として赤外線リモンの学習機能と送信機能を搭載していますので、ラズパイに学習リモコンのソフトウェアをインストールすることで単品の赤外線リ モコンと同様の外部機器の制御も可能です。

Schematic Circuit Diagram ver0.21 (2of2)

2ページ目の回路の解説をします。RV1はSigmaDSPでマスターボリューム動作をさせる ためのポテンショメーターです。 IC2はカセットデッキやラジオチューナーなどレガシーなオーディオ機器との接続を想定して搭載しました。ハイゲインなフ ラットアンプと高品位なADコンバーターにしてDSPでRIAA-EQを実装することでフォノ入力対応にする事も考えたのですが、電源や基板面積の制約等も あって中途半端なものになってしまうので、ここは割り切ってアナログライン入力専用として安価でシンプルな構成としました。J15は将来的に本格的で高品位な フォノ入力アンプ回路を搭載したADコンバーターと接続するためのI2S外部入力です。U2とU4はSigmaDSPが持つ S/PDIF入出力機能にオプティ カル方式で対応します。音質的な優位性からもCoax(同軸)は外したくなかったのですがスペース上の制約からやむなく搭載を見送りました。
AIAとA1Bはこのシステムの中心となるDSPコア基板を搭載するためのスロットです。コア 基板上の10ピンヘッダーにUSBiを接続することでDSPをコンフィグレーションできますが、この基板ではSPIラインをラズパイと接続することでネット越 しにSigmaStudioからDSPにアクセスできるように考えています。またDSPから出力されるTDM/I2S信号はDACが接 続され OUT01_ENB・OUT23_ENB信号線がLレベル(GND)に落ちた時にだけU7やU8の出力バッファーが動作してヘッダーから信号が出力されるようになってい ます。(ケーブルやDAC接続時の重い負荷に対しても安定に駆動することができ、かつ不要な場合にはハイインピーダンスにすることで無用なノイズ輻射をなるべ く低く抑えるためです)A2ヘッ ダーはAmaneo Combo384互換基板を挿入することでPCやスマホとUSB経由でI2S 接続することができるようにしています。DSDストリームにはDSPが対応できないので万一 DSDが出力された場合にはミュート信号を出力するようにしています。 大抵の場合PCとUSB接続したらこの基板の他の入 力は殆ど使わないだろうと割り切ってしまい、VBUS電圧が供給されたらQ10/Q11がオンすることで強制的にIN2のソースが選ばれるようにしてしまいました。任 意に選べるようにするにはQ10とQ11を取り外し、SW6の中立トグルスイッチを廃して、2bitのバイナリーエンコーダーやロータリーSWにすることでい つでも任意にソースを選べるようにできます。 SW7はDSPをマニュアルでリセットするボタン、SW4/SW5はオプションのラズパイ用のボタンで特に使い 道は決めていません。



PCB Design

Board Layout

基板のレイアウト図です、経済的な寸法の基板に目一杯乗せています。図面の下側がリアパネルを 想定しレイアウトしています。右側端にラズパイ用の40pinヘッダーが挿さるようになっていますが、ラズパイが裏返しになるのでRP4などで放熱が苦しくな りそうな場 合には全体を裏返しで使うのがベターではないかと思われます。その左側にあるCombo384モジュールも部品面が下の裏返して挿すようになっています。その横にはACア ダプターのインレット(DC12V2A程度を使用)を設けています。その左にはオプティカルS/PDIF出入力、その上には追加ポテンショメーター用のヘッ ダーとI2S 入力ヘッダー が所狭しと陣取っています。さら続く左側にはIRリモコン送信用LEDとリブートボタン、その左にはRCAアナログライン(CDレベル)入力端子があります。 最終的な出 力はその上の14pin のヘッダー4つから外部のDAC基板にTDM/I2Sで接続します。基板の上側左のRV1は単に取り付け強度を稼ぐために2連のラグ付きのものを使っていま す。   Source Selectスイッチは中立オフつきのトグルスイッチの使用を想定していますが3ビットのバイナリ値が出せるロータリーSWとかの方が使いや すいのかもしれま せん。 J1は車載時に使用する電源接続端子でACアダプター端子と排他使用なので必要な方を搭載してお使いください。

3D Board Rendering

(Top View)

(Front View)

(Rear View)


Board Design Files

ITEM
LINK
COMMENT
Schematic Circuit Diagram MW-ADAU1466BB_Fixed_Schematic.pdf
Schematic version 0.2 PDF file
Project Archive Files
MW-ADAU1466BB_Fixed.zip
Schematic version 0.2 (Ki-CAD 5.1.4)
Bill of Materials MW-ADAU1466bb_BOM-List.xlsx
MS Excel BOM List

Ver0.0基板は試作完了し、現在動作検証中です。 ver0.2基板は修正点を盛り込んだナイトリー版相当の最新設計データですがまだ試作確認を実施していません。





Current Status

PCB ver0.0 基板に部品を実装し、動作確認を進めていますが、なかな手が付かず現在OKのところだけ動作が確認できています。(2nd,Mar.2020現在)

PART
STATUS
COMMENT
On-Board +3.3V Power Supply OK Worked as expected
On-Board +5VPower Supply OK Worked as expected
Raspberry-Pi Power Control OK Worked as expected
Raspberry-Pi Auto Shutdown

I2S Output0 OK Worked as expected
I2S Output1 OK Worked as expected
I2S Output2 Need Fix Ver0.0 board has Short Connection caused by ki-CAD Netlist Error.
Pattern-Cut & Jumper required
I2S Output3 OK Worked as expected
ADC (Volume) OK
Worked as expected
I2S Input (Combo384)

I2S Input (Raspberry-Pi) OK
Thanks Mr.H
I2S Input (96kHz/24bit ADC) OK
Thanks Mr.H
Optical Input

Optical Output OK
Thanaks Mr.H
SPI BUS (DSP Configuration) OK
Thanks! Mr.H
GPIO (Source Selector)

GPIO (Mute Control) Need Fix Ver0.0 board needs Pattern-Cut & Jumper required
IR Remote Sensor

IR Remote Transmitter Need Fix Ver0.0 board needs Pattern-Cut & Jumper required



引続き更新中です

(ReLoad)再ロード


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