4th Order BandPass Subwoofer

バンドパス型サブウーハ + 密閉型2wayスピーカー システムの自作:サブウーハー編


Introduction:

前回パンドパス箱を作ったのは1997年と丁度20年前だった事を自分のwebページを見返してて知った、気がつけば随分と長い事このサイトを運営しているが、変わりばえしない同じ事をやってる自分に呆れてしまった。今回はメインの想定用途が車載よりもPC用デスクトップ2.1chシステム寄りなので、能率よりもコンパクトさと再生帯域を重視してみる事にした。ほどほどのサイズで無理なく期待通りの重低音が得られるように今回もメーカーは異なるが同径の10インチのユニットを使う事にした。

Dayton Audio製のLS10−44という超薄型のユニットで、そのプロフィールを活かしてエンクロージャーも薄型にしたいところだったが、QWTL箱のプロトタイピングで没になった材料で必要な容積の箱が作れる事が判ったので、不動在庫低減のために手持ちの板材だけでできる形状から設計したら必然的にキューブ状になってしまった・・・・

Design

JAVAで動いてるオンラインweb設計や、フリーの設計ソフトなどいろんな選択肢があるが、今回はTolvan DataBasta!というfreewareを使ってみた。相変わらずアテにならないDayton Audioの公開T-Sパラメーターをセットしてシミュレーションしながら決定した仕様は多少の周波数特性のリップルを許しながら35Hz〜100Hz程度をカバーする4次のバンドパス箱という条件で設計した。 途中このような極端なレイアウトも考えて見たが、最終的にはフロント側のポートを除いた容積が6.2リッター、同ポートの内径が56mmで長さ240mm(VU管)。 リア側の密閉箱の容積が12.3リッターと、全体でほぼ18リッターと石油缶に近いサイズに落ち着いた。 


少々無理をしてユニットを詰め込んだので、一部SP固定用のボルトを締めるのが難しい箇所が出てしまった。 多少でも楽なようにSUS製のヘキサゴンボルトを使ったが、それでもトルクスドライバーが入らない箇所があったので、

やむなくボールエンドつきの短い六角レンチを購入するハメになってしまった・・・
エンクロージャー図面のPDFはこちら

Enclosure Building

    組み立てる前に仮組みで寸法を確認、斜めになるSPバッフルとの接触面の傾きとクリアランスを微調整
     
    組立前にSPバッフルにユニットを固定する穴の加工を済ませておかないと後では加工が大変
     
    ボルトの位置関係を決めてツメ付ナットを板に十分食い込ませておく
     
    いよいよ組み立て開始、接着中に板がズレないように極細の木ネジで位置を規制している
     
    接着中は乾燥するまで手持ちのクランプやベルトを総動員して押さえておきます、何本も使うのは
    本数が少ないとどうしても変形が大きくなりがちなので満遍なく押さえた方が良いからです

    ダクト部分を加工、DV管のジョイントを短く切って接着、この部分だけ板を2枚重ねにして内径が外まで変わらないようにしつつ
    ダクトの取り付け強度を確保します。ピッタリ径なのでパイプは挿すだけでもキツキツですが交換可能です。
     
    塩ビと木材の接着にはこれがオススメ!

    フロント側のチャンバーには特に大きな圧力が掛かるので、平坦な面が撓んで変形しないように補強材を入れ強度を確保します。
    また、音圧ロスが極めて大きくなるのでフロント側には殆ど吸音材は入れられません。

    つまり、フロント側はできるだけ変形や吸音材でエネルギーが熱に変わってしまわないようにする必要があります。
    強度と密閉度を確保するためにフロント側の天板は接着してしまいます。

    ここにきてやっとSPユニットが実際に収納可能な事を確認中(汗)

    リア側の裏蓋の作成中、内面の周囲を一周するウェルドで空気漏れを抑制しています
    斜めに接着しているのは撓み方向の変形を抑制するための補強桟

    裏蓋の固定にはM3の鬼目ナットを9本使用しました。

SPターミナルを取り付け、隙間から空気が漏れないようにシーリングしました。
DVCなので2ch分の配線があります。

    ここまで出来た段階で測定してみました。
出来上がったサブウーハーのインピーダンス特性
ポート長55mm、内径は56mm

バスレフ的なアライメントとしては丁度バランスよく制動が効いてる状態だが、これだとポートの共振周波数が高過ぎてサブウーハー領域まで届かない。

ポート長165mm

f1が40Hzまで下がってきた、あと一息下まで伸ばしたい・・・

ポート長280mm

ストレート形状で入れられる限界の長さ、ここまで下げたいとなるともう少し容積を増やさないとダメなようだ・・・
という事で、ポート長は240mmに決定、その状態でOmni-Micで測定して貰いました。
(塩沢氏の町田オフ会ブログから画像を引用)
上のグラフの左側で 30cm(黒色)、1m(赤色)、2m(青色)での測定結果、フローリング室内で床置き状態での測定結果なので開放空間での特性とは異なりますが、実際の設置使用状況に近いものと思われます。35Hz〜110Hz程度までカバーできているようです。
スピーカーから30cmにおけるWavelet特性
(塩沢氏の町田オフ会ブログから画像を引用)
おおよそ100Hzから下側がこのスピーカーの特性で、群遅延が10〜15mS程度と短めなのが特徴的です。

スピーカーから2mにおけるWavelet特性
(塩沢氏の町田オフ会ブログから画像を引用)
2Π空間に近い状況での測定結果なので、100Hz以下でレベル的にはウォールエフェクトが観られますが、時間軸的な特性は近接のときと同じようです。
帯域外の音は殆ど聞こえないので高調波歪み成分がないクリアな低音が聞こえます。 サブウーハーだけだと男性ボーカルでも殆ど聞こえません。

フロント側の更なる強度アップと完璧な密閉度の確保のために内部にポリエステル樹脂を塗布し、

さらにガラスクロスを積層してFRP層を構築しました。

少しでも風切り音が低減する事を期待して、ダクト入口の先端をコンロで炙って
柔らかくなったところで、回しならガラスビンに押し付けフレアー形状に加工しました
塩ビ管ならではの加工方法です。

ダクトの出口側の外装板もトリマーとサンドペーパーでフレアー形状に加工しました。


表面仕上げは振動のダンプと滑り止めを兼ねてパンチカーペット仕上げにしました。


2個のアルミハンドルは移動時の取っ手の役目で付けましたが、

開口面を下向きに置いて高音側をカットするような置き方をする際のスペーサーにも使えます
やっと完成です。

出来上がったサブウーハーのインピーダンス特性 (
ポート長240mm)
 
DVCなので直列接続にして測定している、箱の強度が上がっているためか?
FRPを積層する前よりもインピーダンスカーブの山が高くなったようだ。

開口部から15cmでの周波数vs音圧特性

-10dBで規定される一般的な周波数特性の定義だと27Hz〜160Hzが再生帯域という事になるが、私の感覚的には±3dB程度までだと感じているので37Hz〜120Hz程度がフラットに使える範囲だと思っている。
チャンネルデバイターによるLPFを使わなくても構造的な帯域制限が効いているので550Hz付近から上のポートの気柱共振によるピーキーな漏れを気にしなければ、単にアンプに繋ぐだけでもサブウーハーとして使えそうな特性である事が判る。

Specifications:
EnclosureType 4th order bandpass Subwoofer Speaker-Unit Dayton Audio LS10-44 25cm 4ohm Dual Voice Coil Band-Width 38Hz to 103Hz (-3dB point) Encl. 12mm Lauan Plywood board with FRP reinforced -->Board Design Schematic Ports Flared Single port, Diameter=56mm, PVC Pipe Length=240mm + Board Thickness=12mm


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