Carrozzeria AVIC-MRP077
Automatic Reverse Backup Camera Switching Modification


イントロ:

先日、カロッツエリア製の楽ナビLiteに乗せ変えたが、DVD版楽ナビにあったリバース時のカメラ映像への自動切換え機能が無くなってしまい、毎回 エアージェスチャーで手を振るのが面倒に思えてきた。 サンルーフ前の天井に付けた9"モニターにはカメラの映像が自動で表示されるようにしたので大きく 見上げれば一応確認することは可能ではあるが運転席からは見にくいのでいまいちな状態である。 やはりリバースギア操作に連動して 「自動」でナビ画面が切り替わるのがベストである事に違いないようだ。



解析&改造方針:

 楽ナビLiteでバックカメラ映像を表示する方法として、以下の3つの方法がある。

  1. GUIメニューを辿ってカメラ入力に切換える。
  2. エアージェスチャー動作に割り当てる。
  3. 右下のAVボタンを長押し(2秒以上)する。

赤外線送信器をマイコンで制御することで上記の1〜2でもなんとか実現できそうだが、一番手っ取り早く実現できそうなのは3番の方法だ、そこで実際に 試してみると約2秒ほど押し続れば確実にカメラ側に切り替わるようである。 リバース中は押し続けたままでも映像の表示には特に支障なさそうである、また 明示的にバックカメラ解除の操作をしなくても、ある程度の速度で前進状態になれば自動でナビ画面に復帰する事が判った。 何度が切り返して駐車するときな どは、前進する度に切り替わるのに時間もかかる為、そのまま暫くカメラ映像を表示してくれた方がかえって好都合だったので、今回実現しなくてはならない課 題とは、要するに人が手でAVボタンを長押しする操作を自動でやればいいだけの事のようである・・・

まずは、ボタンの押下をどうやって検出しているのかを解析するために、禁断のTear-Down!


電源OFF操作をしたら、取り説の電池廃棄方法に書いてあるように、裏蓋のゴムキャップとネジ3個をはずし、樹脂製のヘラで裏蓋のは め込みを外せばこの状態になる、この次点で保証が無くなるので自己責任で・・・。 やや難しいのは中央下に見え るフレキケーブルをロックしている黒いストッパーを外すことと、U.FLコネク ターを隙間から外す事だが、ここまでなら大して難度は高くない。 注意しなくてはならないのは裏蓋に付いているバッテリーから常に電源が供給されているの で、不用意に内部回路に金属などが触れたりすると壊れる危険性が高いことと、ボタンを押す操作をするとスタンバイ状態から復帰して動作状態になってしまう 事 である。 

上の画像で、左側のジャックの下に隠れているフレキケーブルで接続された細長い基板に LEDと押しボタンスイッチが並んでいる。


表面実装の黄色い白LEDに挟まれるように3つ並んだ四角い部品がスイッチである、ナビ画面に切換えるには上の画像で一番右側のボタンを長押ししなくてはなら ない。
 テスターで追いかけたみたところ、どうやらこれら3っのスイッチは片側がGNDに接続されていて、反対側の端子をGNDに落とせ ば「ボタンを押した事」にできるようだ。 ならばNチャンネルのMOS-FETかNPNのトランジスタを使って、リバースランプが点灯したときの電圧でコント ロールして、端子をショートさせれば簡単に目的が達成できそうな事が解った次点で解析のステップが終了


ver.1スイッチ押し回路構成:

今回は基本的なエミッタ接地回路か、ソース接地回路でボタンの端子をGNDに落とす動作を行いま す。 抵抗でプルアップされているセンス線をGNDに落とすだけなので僅かな電流しか流れないので小信号用の半導体で十分です。 リバースランプの極性は正論 理(後退時に12V)を想定しています、入力端子とGNDの電位差が小さい時には出力端子がオープン、入力がある程度以上の 電圧になると素子がオンして出力端子とGNDが導通した状態になり、ボタンを押した状態になります。

まずはトランジスタ版から回路を考えてみますが、基本のままでWR-BT300の時に比べれば単純 ですね・・・ 抵抗内蔵のトランジタで通称「デジトラ」を使えばもっと簡単に石一個だけで直結できます、Rohm 社のデジトラ解説ページが解りやすいので興味があるかたはどうぞ・・・



ちなみに秋月でもデ ジトラ売ってたが、これだとスペック(10V)を少しオーバーするのでベースに4.7KΩ程度の抵抗を直列に追加入れないとダメで す。
さらに探すとマ ルツオンラインでDTC124XSATP売って た、これなら40Vまで許容するので安心して直結可能。

という訳でデジトラ版の回路だと抵抗内蔵なので次のようになります。


石一個だけと非常にシンプルになります。

続いてN-MOSFET版の回路図

簡単にいうと、2本の抵抗で分割したゲートの電圧が閾値を超えると出力のドレイン〜ソース間がオン するという回路です。



入力される信号に過大なパルス信号が乗っていないと判っている場合なら入力の抵抗分割も不要で後退ランプの電圧をゲートに直接入れても大丈夫です、 2N7002の場合なら20Vまでは直結でもOK。 後述する駆動回路を使用する場合も3.3Vppなので直結でも構いません。

改造アダプター基板の作成:

手持ちで大量に転がっていると言えば2SC1815などのTO92タイプのトランジスタですね、 まず今回はコレで作ってみました。

使用部品は2SC1815に小さくカットしたユニバーサル基板と2.2kΩと 10kΩチップ抵抗が 2個だけ。


改造アダプター基板の取り付け:

ステップ1:スイッチからセンス線の引出し

1005部品と部品は非常に小さいのですが、ラッキーなことに縦に3つ並んだ抵抗からスイッチの接点まで一直線にパターンが全部繋がっています。

0.2mmのポリウレタン線をチップ抵抗を剥がさないように慎重にハンダ付けして引出します。画像では念のため抵抗2本ともにハンダ付けすることで剥離してし まうリスクを低減する意図があります、銅箔パターンで繋がっている箇所なのでこの上の抵抗まで繋いでしまっても問題ありません。

ステップ2:アダプタ基板とGNDの接続

テスターで調べたところフレキケーブル両端のタブ用ランドがGNDだったので、ここにアダプター基板のエミッターを接続しました。

しっかりハンダ付けできたらアダプター基板を右に90度曲げて蓋が閉められるスペースがあることを確認します。

ステップ3:スイッチからセンス線の接続

裏側から引き出してきたセンス線をトランジスタのコレクタに接続します。

ステップ4:リバースランプ線の接続

最後まで悩んだのが、いかにしてリバース信号を楽ナビLite本体内に引き込む方法でした。裏蓋に穴をあ開けてコネクターやジャックを増設する方法や、放熱用の穴から直接 ワイヤーで引き出す方法など、幾つか検討しましたが、最終的に思いついたのは車 載時には絶対使わないであろう本体側のDCインレットを流用することでした、クレードルから電源は供給されますし、車載したら本体だけ外すなどまず事ありませ んし、径が違うので間違って挿すリスクもなく、間違って挿したとしてもボタンが押された状態になるだけなので、特に危険なこともないからです。 



上の画像を見て判るようおあつらえ向きに? センターピン側と繋がる大型のゼロΩ抵抗を外すことで、DCジャックを簡単に本体回路から切り離せた ので、ここに アダプター基板の入力端子を接続します。これで、この端子に電源を供給している間は一番下のボタンが押された状態となります。
以上で細工は終わりなので、慎重に元通りに組み立て、中央のフレキケーブルとu.FLコネクターと忘れずに接続してから裏蓋を閉じて改造完了です。

純正のACアダプターを持っていないので手持ちのものを適当にとっかえひっかえ挿してみてうまく刺さって動作したプラグがコレです。

実測で2.45mmとかなり細い特殊なものですね、とにかく このプラグを何とか入手してリバース信号をセンターピンに繋げば、念願が「自動切換え」ができる 寸前まで来 ました・・・


気になったことメモ:

DCプラグを入手するまで保留にする予定だったが、渋滞で再び走り出す前に、目前の車のリバースラ ンプが一瞬点灯するのを見て改良が必要なことに気がついた。 通常のオートマのシフトセレクターの並びだと、始動時に『P」のポジションで、そこから「R」ポ ジションを横切って「D」レンジに入る場合が殆どだと思う。 この最初に「R」を横切るときに、ver.1の回路だと反応が良すぎて、ほんの一瞬でもしっかと ボタンをおした事になってしまうクルマが多そうな気がしたので改良する気になった。

 具体的には、ボタンの長押しがしたいだけなので「チョン押し」で反応してもらっては困る、走り出 せば自動でまたナビ画面に戻るとはいえチト許しがたい。 そこで  シフトセレクターがほんの一瞬だけ「R」ポジションに切り替わっても反応せず、ある一定の時間が経過した後にだけ反応してボタンを長押してしてくれるように改良 しなくてはならないと思ったのである。


なるべく小型のチップ部品で小さく作りたいので、小容量のコンデンサーでも長めの時定数が稼ぎやすいFETでハイインピーな回路を考えてみる事にした。 単純 なソース接地回路のドライブ側に一工夫して幅約300mS以下のリバース信号では反応しないように時定数を持たせた、上の回路は検討中の回路シミュレーター用 の回路図であるため信号源や電池などを書き足してある、基本的には秋月電子で入手できる表面実装部品優先で考えることにしている、SiダイオードD1は小型の 表面実装タイプに置き換えたほうがいいだろう。

上の赤色波形がリバース信号で、立ち上がって約0.3秒経ったところで出力側のV-SW(青緑色の波形)が遅れてオンするのが判ると思う、電気的にいうとC1 の両端の電圧が約1Vに達するとIRLML6344のゲート〜ソース間の電圧VGSが閾値を超えるためにドレイン〜ソース間がオンす る。また緑色の波形を見て判るようにリバース信号が無くなれば直ちにC1にたまった電荷がD1を通して放電される。 つまり「P」から「D」にいれるときの一 瞬だけのリバース信号には反応せず、「R」の位置でセレクターを止めたときだけ切り替わるような回路になっている筈である・・・

上のシミュレーター用の回路図では、どこまでを作ればいいのか解らないひとも多いと思うので、誤動作抑止版のアダプター基板に必要な部分の回路図を以下 に 示す。

入力に追加した抵抗1kΩは、入力ピンピーダンスを下げて非動作時の誘導ノイズに よる誤動作を 低減するためと、確実 にコンデンサーの電荷を放電する目的で追加したもの。


(以 下DCプラグを入手するまで工事休業中)

(中間報告)

 秋葉原にノギスを片手に、希望する太さのDCプラグを買って来た、早速接続してみ たがリバースに入れても全く反応しない! テスターで電圧を測るとちゃんと来てるのに切り替わらない! 慌てて内蔵したver.1の基板か改造にミスが あったのか分解して確認してみたら、何と! 買ってきたDCプラグ先端のプラスチックモールド部分の長さが微妙に長いために奥まで挿さらずにセンターピン が接触し たかった為だったと判明した。 

カッターでギリギリまで先 端のモールド部をカットしたところ、ピンが奥まで挿さって反応するようになった。


GNDは本体側で繋がっているのでセンターピンだけ接続しました、この端子にリバース時に+12Vになる電圧を掛けます。


付属のカバーが大きすぎるので、黒のホットメルトでモールドを自作します。


小さめのアングルタイプのケーブルが自作できました。

 実は、すっかり忘れてしまっていたのだが、VW Golf Touranのリバースランプはかなり遅い周期のPWM駆動されているために、リバースランプが点灯時も駆動電圧はオンオフを繰り返している、そのために市販の製品でもう まく切り換わらない場合があったのだ。 そのため愛車ではビ デオ信号切換え用のリレーを搭載した際にダイオードと電解コンデンサーで簡単な半波整流回路を 組んでリレーを駆動している、この回路がある ので「P」ポジションでエンジン始動してから「D」ポジションに入れる際に「R」ポジションを横切っても、相 当にゆっくり操作しない限り一瞬Hレベルになる程のパルスは発生しないことが判った、方針をやや変えてしまおうかという気持ちになってきた・・・ 


ver.3駆動回路:

究極的にはPIC等のマイコンで処理することで、何度も切り返しする場合もバタバタ切り替わらないような処理を入れてしまう事が一番の正解なのは判っているが、アナログ ハード的 にいろいろ考えてみるのがパズルみたいでアタマの体操的観点というか趣味としては面白いので、考えてみたのが下の回路である。

上の回路でBATTERYはACC電源、ReserseLampが後退ランプの電球駆動電圧だと思って欲しい。 OUTPUTが改造した楽ナビLiteのDC プラグに接続する制御線だとする。
前進時にはReverseLampは消灯なのでV0はゼロ、後退時に+12Vになると仮定してシミュレーションを行ったのが下の波形で、1秒目でリバースに入 り6秒後に解除されたと想定してのシミュレーション結果である。

車両からのリバース信号の両エッジで約2秒間+12Vの正パルス信号を発生させることでボタンの長押しをシミュレートしている。 リバース一発でスパンと駐車 できてしまえばこの回路でも十分実用になりそうだ。 私のように駐車がヘタで何度も切り返ししちゃう事がある場合はマイコンでの処理が適してそうではあ る・・・・
しかし、実際に製作して搭載したら思ったように動作しなかったので、次のver3.1開発へと続けることになった・・・


ver3.1駆動回路:

ver3.0の回路で試作して愛車に搭載してみたが、リバースランプがパルス駆動されている影響から思うような動作が出来なかったことと、電源オン時にボタ ンを押してしまう状態になるために、起動時に必ずAV入力画面になってしまうという問題があったので、実用になるレベルまで回路をグレードアップしたものを設 計してみた。

小型のチップコンデンサー使用し薄く小さく作るために、MOS-FETの特性をフルに活用して極端にハイピンピーダンスな回路となっております。 それにし ても、随分と部品が増えてしまったもんだ(汗) V2がナビ本体内部から拝借した3.3V電源で、V0がリバースランプから引いてきた 後退信号。OUTPUT がボタン押し回路を駆動する電圧。

ver3.1基本回 路

今回の主な回路の追加変更のポイントは・・・
この回路で電源オンからVCCが立ち上がるまで3秒待ち、そこから10秒ごとに後退と前進を繰り返す動作をシミュレートした結果は以下のようになりました。

ver3.1駆動回路のシミューション結果:
波形は一番上から順に
一番上の波形=リバースランプの点灯/消灯に連動して、約2.5秒間一番下の赤い波形=ボタン押し回路の駆動電圧(OUTPUT)が生成されているのが判ると思 う、
また一番下の波形では電源投入から約5秒間出力がマスクされている状態が少しだけ見えます、このOUTPUTの電圧で次段のスイッチ押し基板を駆動することで目的 を達します。
OUTPUT信号でLEDを点灯させると動作状態が見えて解りやすくなると思います。
高誘電タイプの積層セラミックチップコンデンサーを使った場合、DC電位差がある箇所では実質的な容量が目減りして時定数が計算よりも短めになってしまう場合があ ります、その時はR3の値を1.8MΩ〜2.2MΩに上げればボタンを押している時間を3秒強にまで長くすることができます。 同様の理 由で、電源オン時に勝手にAV機能に切り替わる誤動作をする場合はC4の値を3.3uF程度に増やしてみてください。
 まぁ所詮趣味のものなので敢えてアナログで作ることに意味を見出していますが、なんとか実用的には使えるものになったものの
ここまで部品が多くなってしまうと、電子工作としてはコスパ的にやや疑問になってしまうので、合理的な方は8ピンのPICマイコン
あたりで一発サクッと作るのがいいと思います。 その際、出力ポートをオープンドレインにするのを忘れないこと、そうしないとAVボタンが反応しなくなってしまい ます。
この場合は8pinのPICでもピンが余るので、余ったピンでLED灯したり、圧電ブザー素子を駆動してピッピッと警告音鳴らしたりすれば難なくモト取れそうです ね・・・

実装の状況:


これだけの駆動回路ですがかなり小さく作ったので、私はポータブル楽ナビLiteに内蔵してしまいましたが、ここまでする必然性はないので
スイッチ押し回路だけナビ本体に内蔵して、駆動回路の方は作りやすい部品で作って駆動信号をナビの外から供給することにして、
さらに動作状態がLEDで目視できるようにするのも一案だと思います。 ちなみに、この位置はナビ内蔵のロッドアンテナと干渉するので
絶縁には注意する必要があります。

改造後記:

やはり、後退する時に自動で画面が切り替わり、暫く前進しなくてもナビ画面に戻るのは快適で すね、運転する際に回避できるストレスが一つ減りました。 ここまでアナログで拡張してやるなんぞ、普通は絶対にやらないと思います。 しかし エレクトロニ クスの工作という観点では実にピッタリな何かを感じ取っていただけたら幸 いということで公開することにしました、超ハイインピーダンスな回路でノイズに弱 いはずなので再現性は低めかと思います、実装にはそれなりの技術が必要ですのでこのようなアホなことをやる人はあくまでも自己責任で・・・


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更新日 2015.Nov.22th

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